食品安全情報blog過去記事

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論文等

Hand sanitizers may increase norovirus risk
August 10, 2011
DOI:10.1503/cmaj.109-3922
Lauren Vogel, CMAJ
http://www.cmaj.ca/site/earlyreleases/10aug11_hand-sanitizers-may-increase-norovirus-risk.xhtml
米国の161の長期ケア施設で、ルーチンでアルコールベースの手の清浄剤をよく使っているところの方がノロウイルスアウトブレイクリスクが増加しているという学会発表があった。

Study finds popular muscle-boosting supplement does not increase blood flow
10-Aug-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-08/bu-sfp081011.php
血流を増加させて筋力を増すと宣伝されているサプリメント、アルギニン-アルファ-ケトグルタル酸 (AAKG) (商品名NO2 PlatinumTM)の効果を24人の男性で調べた。サプリメントにそのような効果は認められなかった。
International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolismに発表された。

  • カリフォルニアの妊娠女性の難燃剤濃度が高い

Study finds high levels of flame-retardant chemicals in California pregnant women
10-Aug-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-08/uoc--sfh081011.php
Environmental Science and Technologyに発表された予備的調査の結果、25人のカリフォルニアの妊娠第二期の女性のPBDE濃度が高い。カリフォルニア州による厳密な可燃性規制によると考えられる。

  • 日焼け止めを精査する

C & ENニュース
Scrutinizing Sunscreens
August 8, 2011
http://pubs.acs.org/cen/science/89/8932sci2.html
無機ナノ粒子を含む日焼け止めが毒性学者に注目され一部の消費者団体を怒らせる
オーストラリアでは70才までに3人中2人が何らかの皮膚がんになる。無機の日焼け止めは酸化亜鉛か二酸化チタンを含むが、これらは粒子が大きいと塗ったとき白くなるため、多くの製造業者はサイズを小さくして透明にしている。
シドニーのMacquarie大学のBrian Gulson教授は、ナノスケールの酸化亜鉛粒子(19 nm)と、100nmより大きな酸化亜鉛粒子を含むローションに非放射性同位元素68Znを入れたものを5日間連続して皮膚に塗って血液や尿を調べるという研究を行った。2日後からどちらの場合にも極微量吸収されることを確認したが、この結果を環境団体Friends of the Earth Australiaが「化学物質フリーナノ粒子フリーの日焼け止め」を薦めるガイドに引用している。Gulson教授は吸収された亜鉛が危険だともナノだから悪いとも言っていない。体内に入ったのはZnO粒子ではなく亜鉛イオンである可能性が高い。
Monteiro-Riviereらは最近ZnO粒子は皮膚にあまり侵入しないことを示した。また皮膚の上ではTiO2やZnO粒子は凝集していてそれほど小さくないという研究もある。
ナノ粒子の問題を避けるため、Dow Chemical社はサイズが大きいまま透明な製品を作っている。一方で全ての業者が良心的な仕事をしているわけでもない。一部の日焼け止めは皮膚に悪影響があるかもしれない。
日焼け止めに関する懸念があったとしても、それを使わずに日焼けするのはリスクがある。日焼け止めは使う方がいい。