食品安全情報blog過去記事

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現在の科学的知見からは食品中の5-HMF濃度は安全上の懸念とはならない

17.08.2011
According to the current state of scientific knowledge 5-HMF concentrations occurring in foods do not give rise to safety concerns
http://www.bfr.bund.de/cm/349/according-to-the-current-state-of-scientific-knowledge-5-hmf-concentrations-occuring-in-foods-do-not-give-rise-to-safety.pdf
ドイツ語で5月15日に発表された意見の要約部分のみの英語版
炭水化物や砂糖を含む食品を加熱すると5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)が生じる。この物質が最初に食品中に検出されたのは1950年代である。5-HMFはしばしば香料として使われ、カラメル色素や燻製香料の成分でもある。BfRはこの物質のヒト健康影響を評価し、特別な毒性影響はないとないと結論した。現在入手できる実験研究によれば、その遺伝毒性発がん性はヒト健康には関係ない。
BfRは各種食品群からの5-HMFの摂取量を評価した。データが不十分であるため一部の食品は対象外になったが、この推定は保守的なものと考えられる。一部の動物実験で有害影響が見られない値との安全性マージンは一般的に十分大きく(100以上)、ヒト健康リスクは想定できない。例外は相当高濃度の5-HMFを含むプルーンジュースである。しかしこれまで明確な健康リスクは認識されていない。
調査すべき5-HMF摂取源は添加物としてカラメル色素を含む食品であろう。他の食品の濃度研究については優先順位は低い。むしろ5-HMFあるいはその代謝物の発がん性についての研究の方が、より重要であろう。