食品安全情報blog過去記事

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家庭での食品の安全性についてのレビュー

Review of food safety in the home
Monday 22 August 2011
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2011/aug/homehygiene
FSAは人々の家庭での食品の安全管理やそれが健康に与える影響についての既存研究のレビューを発表した。
その結果、人々は食品の衛生管理については意識はしているが多くの場合適切に冷却しておらず、食品表示に従わず、台所に有害細菌をばらまかないための単純な衛生規範を守っていないことがわかった。人々はやるべきだということは知っているが、自分は大丈夫だと思って知識を実践していない。
この研究の知見は英国での食中毒削減のための対象を絞った助言を作るために使われるだろう。
報告書本文は以下から。
X04009: Evidence review of food safety behaviours in the home
http://www.food.gov.uk/science/socsci/ssres/foodsafetyss/x04009/
面白い知見としては
・食品衛生について知識や行動が良くないのは大雑把に男性、高齢者、低所得者、教育レベルの高い人。オプティミズムバイアス。
・自分はよく知っていると思っている人が客観的に知識が多いわけではない−リスク認知が間違っている
・知識だけでは行動は変化しない。習慣にも影響される
・毎日買い物に行く人が減っているため一度に大量に購入したりすることが多くなっていて家庭での保存が重要になっているのに、消費者の要求により保存料の除去が進み、家庭で安全に食べられる期間が短くなっている
(他人に厳しく自分に甘い。妊婦や高齢者、病気の人など、特に注意すべき集団のリスク認知に課題があるような。普通の食品がこういう人達にとっても無条件に安全だと思っていることそのものがリスクになっている。「安全」の意味の問題。添加物や残留農薬が問題だと思うような消費者が認識しているような意味で食品が「安全」だったことなど一度もないのだけれど。)