食品安全情報blog過去記事

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論文から

Anaphylaxis caused by honey ingestion in an infant
Tuncel, T. et al.,
Allergol Immunopathol (Madr).2011; 39 :112-3 - vol.39 núm 02
http://www.elsevier.es/en/linksolver/ft/pii/S0301-0546(10)00276-4
14ヶ月の男の子のハチミツアナフィラキシー症例。彼は生後6ヶ月までの間に何回かスプーン1杯程度ハチミツを与えられていた。14ヶ月の時にスプーン5杯のハチミツを母親が与えたところ5分で発症、1週間入院治療を受けた。彼はミツバチとスズメバチに対するIgE陽性だった。

  • 食道から移行した魚の骨が甲状腺膿瘍を誘発:症例報告と文献レビュー

Esophageal fish bone migration induced thyroid abscess: case report and review of the literature.
Chen CY, Peng JP.
Am J Otolaryngol. 2011 May-Jun;32(3):253-5. Epub 2010 Apr 30.
台湾の50才女性。飲み込んだ魚の骨が食道粘膜を通過して数週間後に甲状腺で膿瘍を誘発した珍しい症例。手術で取り除いて回復。

  • 命に関わる2,4-DNP中毒からの生還「痩せるために死ぬところだった」

Surviving a life-threatening 2,4-DN P intoxication: ‘Almost dying to be thin’
A. van Veenendaal*, A. Baten, P. Pickkers
http://www.njmonline.nl/getpdf.php?id=10000703
治療法について

[Acute histamine poisoning caused by rice bran pickle of mackerel pike: a case report].
Sato M.
Chudoku Kenkyu. 2011 Mar;24(1):58-9.

  • 中国製健康食品中のグリメピリドおよびロシグリタゾンの検出事例

藤田 友嗣
Chudoku Kenkyu. 2011 Mar;24(1):51

Multivitamin supplement use and risk of breast cancer: a meta-analysis.
Chan AL et al.,
Ann Pharmacother. 2011 Apr;45(4):476-84. Epub 2011 Apr 12.
355080人のデータを含む27研究のメタ解析ではマルチビタミンサプリメントの使用は乳がんリスクに影響しない。

  • ハーブ混合製品やビタミン類によるヒトP450代謝の阻害

Inhibition of human cytochrome p450 metabolism by blended herbal products and vitamins.
Tam TW et al.,
J Pharm Pharm Sci. 2011;14(1):1-16.
市販のハーブやビタミンサプリメント製品にヒトP450活性抑制作用があり有害影響に寄与する可能性がある。

  • 塩分摂取と塩味と胃がんリスクの関係についての症例対照研究

A case-control study on the relationship between salt intake and salty taste and risk of gastric cancer.
Yang WG et al.,
World J Gastroenterol. 2011 Apr 21;17(15):2049-53.
中国。タバコと飲酒は胃がんリスクを増加。塩味感受性が胃がんリスクと強く関連(濃い塩分濃度でないと塩味を感じない人の胃がんリスクが高い)。

  • ADHDの子どもへの合成食用色素の影響を調査する研究モデル

A Research Model for Investigating the Effects of Artificial Food Colorings on Children With ADHD
Ronald E. Kleinman et al.
Pediatrics Vol. 127 No. 6 June 1, 2011 pp. e1575 -e1584
http://pediatrics.aappublications.org/content/127/6/e1575.long
英国とEUは最近子どもの健康のため合成食用色素の使用を制限した。この決定は食用色素のリスク評価と政策における科学の役割についての興味深いケーススタディである。色素とADHDの関連については不確実であるものの、定められた政策は科学的根拠を遙かに超えるものだった。さらにこの政策変更の報道はADHDの効果的管理についての一般的認識を形作るだろう。既存の根拠は色素とADHDの関連を肯定も否定もしないため、関連についてはさらなる調査が必要であろう。我々はそのような研究のためのモデルを提示する。このモデル作成にあたって、サンプルの選択や結果の評価、データ解析などの方法論的検討を含む現在のADHD研究の標準を採用した。
近年のADHDの知見からは遺伝要因が相当大きいことがわかっているので、色素が影響するとしたら一部の遺伝要因のある集団のみである可能性があり、その集団の同定が必要になるだろう。科学的根拠の明確でない政策決定は思わぬ負の影響をもたらすことがあるので、最良の科学的根拠を用いるべきである。例えば1970年代から1980年代に強調された脂肪の摂取量を減らすことは、砂糖や炭水化物を多く含む「脂肪フリー」製品の大量導入を招いた。低脂肪キャンペーンにより米国の脂肪の摂取量が減ったもののその同じ期間に肥満と糖尿病が増加した。現在では栄養の専門家は低脂肪キャンペーンには根拠がないという認識が拡大しつつある。

TWO CASES OF ROYAL JELLY ALLERGY PROVOKED THE SYMPTOMS AT THE TIME OF THEIR FIRST INTAKE
Jpn. J. Allergol., 60 (6): 708-713, 2011
Susumu Harada et al.
http://jja.jsaweb.jp/2011/060060708e.html
日本人の若い女性2人。