食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

統計学的有意差と生物学的妥当性

Statistical Significance and Biological Relevance
EFSA Journal 2011;9(9):2372 [17 pp.].
15 September 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2372.htm
科学委員会が生物学的に妥当な影響の評価を行う際のガイドとなる文書。
実験より観察された場合に妥当であるとみなされる生物学的変化の性質や大きさについては実験開始前に定義しておくことが望ましい。そのような変化の大きさは、十分な統計学的検出力をもつ実験をデザインするのに使われるべきである。
統計学的に有意であるということは、良くデザインされた実験または研究の適切な統計解析の一部に過ぎないとみなされるべきである。統計解析は統計学的有意差を求めるのが主な目的ではない。データを解釈する際には、仮説の検証概念と統計学的有意差の関係やリスク評価プロセスにおける仮説検証を用いることの限界にも注意が必要である。従って統計学的有意差はあまり強調されるべきではなくむしろ統計学的点推定や幅の推定(例えば信頼区間)のほうが情報量が多いために強調されるべきである。実験結果を有意か有意でないかのような二分法で提示することは誤解を招く可能性がある。
さらに使用した方法やプログラムについて完全に記述し、別の解析ができるよう生データを提供することを薦める。