食品安全情報blog過去記事

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論文等

Isoflavone Soy Protein Supplementation and Atherosclerosis Progression in Healthy Postmenopausal Women
A Randomized Controlled Trial
Howard N. Hodis et al.,
STROKEAHA.111.620831
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2011/09/08/STROKEAHA.111.620831
45-92才の350人の女性を2群にわけ、イソフラボン大豆タンパク質サプリメントイソフラボンアグリコン91mg相当を含む25gの大豆タンパク質を毎日)とプラセボを投与して2.7年フォローした。臨床症状のないアテローム動脈硬化進行に意味のある影響はない。

  • 幹細胞ツーリズムと科学者の責任

Stem-cell tourism and scientific responsibility
Zubin Master & David B. Resnik
http://www.nature.com/embor/journal/vaop/ncurrent/pdf/embor2011156a.pdf
幹細胞研究者に対して、倫理的に問題のある「幹細胞ツーリズム」への対策を呼びかける
医師や患者への教育だけでは効果は期待できない。特に通常の治療が上手くいかなかった場合、患者は医師の助言を聞かないだろうし警告は無視して都合の良い話だけを聞くだろう。だから科学者が自分の作った細胞系統を他人に渡さない等の対策が必要になる。

  • ワールドレポート:日本の被ばくへの不安は高いまま

Lancet
World Report
Anxiety over radiation exposure remains high in Japan
Justin McCurry
Volume 378, Issue 9796, 17-23 September 2011, Pages 1061-1062
Justin McCurryが南相馬から報告する。
日本の前例のない三重災害から6ヶ月、南相馬は見かけ上は日常を取り戻しつつある。4月の初めに訪れた時に比べれば、商店も再開し人々も活動している。瓦礫の除去もすすんでいる。しかし福島第一原子力発電所の20km圏を超えた領域で、不安と不確実性の中で生活している。南相馬の人口密集地域は発電所から約25km北西で、放射性物質の大気中放出により水や野菜などの汚染があった。市の中心部の放射線レベルは8月末時点で0.61 マイクロシーベルト/時で、政府の安全基準を十分下回っており発電所のごく近くの町よりは遙かに低い。しかし風向きや地理的条件などの組み合わせで南相馬の一部の地域がホットスポットになっている(ビデオ参照)。4月に政府が避難地域を拡大したため、南相馬の南部が立ち入り禁止区域になっている。多くの住民が先に動いた。事故前の市の人口は71000だったが事故後1万になり現在はまた戻りつつあるが3万人がいまだ帰宅を拒否している。一部の人は二度と戻らないだろう。
低線量被ばくの長期健康影響についての知識不足から不安が生じている。
以下年1mSvで避難を主張する人達と社会的精神的影響を心配する人の紹介など。