食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース

CHOICE
Truth in food labelling
15 Sep 2011
http://www.choice.com.au/reviews-and-tests/food-and-health/labelling-and-advertising/nutritional-labelling/selective-labelling.aspx
食品に表示されている栄養強調表示はしばしば全体を示していない
CHOICEは食品表示をより良くするキャンペーンを始めた。
Choice launches better food labelling campaign
http://www.choice.com.au/media-and-news/media-releases/2011%20media%20releases/choice-launches-better-food-labelling-campaign.aspx
‘Shame the Claim’:オーストラリアで最も疑わしい食品表示をさがそう
例えば「ヘルシー」や「トランス脂肪を含まない」と書いてあるが高脂肪高カロリー高ナトリウムというようなもの
(企業を批判するのもいいけど、単独で「健康によい食品」などというものは存在しないのだという当たり前のことを消費者に教えたほうがいいと思うのだけど)

  • 製品レビュー:ベータカロテンとタラ肝油を含むビタミンAサプリメント

コンシューマーラボ
Product Review: Vitamin A Supplements, Including Beta-Carotene and Cod Liver Oil
9/20/11
https://www.consumerlab.com/reviews/Vitamin_A_Retinol_Beta-Carotene_Cod_Liver_Oil/Vitamin_A/
15製品を検査した。全てが品質検査に合格したわけではなく値段は様々であった。

  • チョコレートの誘惑

BMJのエディトリアル
The temptations of chocolate
BMJ 2011; 343:d5883
Johan P Mackenbach, professor
観察研究では健康への良い影響が示唆されるが、決定的回答は無作為試験でのみ得られる
疫学者がもたらすニュースにはいいものは滅多にない−ほとんどが我々の好きな食べ物や好きなことが健康リスクになるという嬉しくないものだ。だから世界中の人が大好きなチョコレートが健康によいという報告を見るのは喜ばしい。
著者はチョコレート摂取と心メタボリック疾患の発症リスクの関連を評価した系統的レビューとメタ解析を行った。無作為試験はなく、コホート研究が6つと横断研究が1つあった。チョコレートの摂取量調査方法や結果の評価方法は様々だった。最もたくさんチョコレートを食べることは、最低の摂取量に比べて、心血管系疾患の37%削減(5角研究で相対リスク0.63、95%信頼区間0.44-0.90)と脳卒中リスクの29%削減と関連した。
チョコレートの摂取には長く興味深い歴史がある。スペインがアメリカを植民地化したとき、アステカ族が精神作用のあるチョコレート飲料“xocolātl”(苦い飲み物という意味)を儀式に使っているのを発見した。スペイン人はそれが嫌いだったが、挽いて発酵させたカカオ豆からつくった飲料に砂糖を加えることでヨーロッパで17-18世紀に流行した。19世紀に固形で工業生産可能になり、今日好まれる形になった。
チョコレートの健康への良い影響はごく最近発見されたものである。最初はパナマの孤島に住むクナインディアンで、加齢による高血圧が同じ部族の本島に住む人達と違って見られないことが観察された。調査の結果、クナ島住民はチョコレートをたくさん食べ、都市部の住民は古い習慣を失っていた。
このことからチョコレートを食べることの健康影響についての研究が活発になった。実験室での研究や小規模実験でチョコレートは血圧を下げるだけではなく血中コレステロールや血小板活性、内皮機能、グルコース耐性に良い影響がある可能性が示された。この効果の原因成分は、果物やお茶や赤ワイン、カカオ豆に含まれるフラボノイドであるかもしれない。フラボノイドの生物作用はまだ知られていない。その作用は抗酸化活性や一酸化窒素の生物学的利用度を増加させることなどがあると言われているが科学的コンセンサスはない。
中略
実際的結論に飛びつきたくなる誘惑はあるが、チョコレートに健康に良いという表示をしたり、一般向けあるいは心疾患患者向けにチョコレートを食べるようにと助言をするのは早すぎる。良くデザインされた無作為対照試験が必要である。