食品安全情報blog過去記事

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遺伝子食品

Gene foods
Andrew Wadge on 29 September 2011
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/gene_foods
「身体の中からしわを無くす食事療法」についての私の興味は純粋に専門家としてのものである。ユニリーバが開発した「遺伝子食品」と呼ばれているサプリメントは「皮膚の張りを改善する遺伝子を活性化する天然食品抽出成分混合物」を使っている。その中には皮膚でのコラーゲン合成に関与するエストロゲン受容体を活性化する大豆由来のイソフラボン、魚油由来のオメガ3、組織の健康と関連することがわかっているビタミンE、C、リコペンなどが含まれる。これらの抽出物が全てマスター遺伝子を活性化してそれによりその他の遺伝子も活性化されると主張されている。
これ自体はおもしろいアイディアであり、食品やサプリメントや医薬品の使用方法を変える可能性もあり注目し続けていくだろう。しかしそのNewScientistの記事の中にもう二つ注目すべきことがある。ひとつはユニリーバが自分たちの主張に科学的根拠があることを確認するための一歩を踏み出したことである。しわとりサプリメント二重盲検試験で検査したこと、そして商業組織としては珍しくその結果をピアレビューのある雑誌に投稿したことである。私はこのような傾向が続き、消費者が根拠のない宣伝文句に騙されることがなくなるようになることを望む。もうひとつはエディトリアルで取り上げられたことである。そこでは医薬品とサプリメントと化粧品の境界線に関する規制システムが十分信頼できるかどうかを問題にしている。いろいろな目的で開発された「遺伝子食品」がポピュラーになればリスクが現実的なものになるだろう。これについてはMHRAが担当している。境界領域担当チームがその製品が医薬品なのかそうでないのかを決定している。

  • NewScientistの記事

First anti-wrinkle pill shows signs of success
21 September 2011
http://www.newscientist.com/article/mg21128314.300-first-antiwrinkle-pill-shows-signs-of-success.html
ユニリーバの研究結果はまだ論文にはなっていないが予備的データは期待できるモノだという報道

エディトリアルでは遺伝子の発現に影響するようなサプリメントはそれが単にしわとりの効果しかなくとも医薬品に分類されるべきだと主張
Gene foods: A wrinkle in food and drug regulation
http://www.newscientist.com/article/mg21128313.200-gene-foods-a-wrinkle-in-food-and-drug-regulation.html
(本当に効果があったら怖いとは思わないのだろうか)