食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品添加物としてのブチルヒドロキシアニソール– BHA (E 320)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of butylated hydroxyanisole – BHA (E 320) as a food additive
EFSA Journal 2011;9(10):2392 [49 pp.].
12 October 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2392.htm
BHAはこれまでJECFAで何度か評価され、最新では1989年に、EUでもSCFが1989年に評価した。どちらもADI 0.5 mg/kg体重/日を設定し、SCFは暫定とした。どちらのADIもラットの前胃の増殖性変化をもとにしている。その後の文献やデータ提出要請により入手できたデータをもとにANSパネルが再評価した。BHAには遺伝毒性はない。たくさんの長期毒性試験や発がん性試験が行われており、ラットの前胃の増殖性病変のBMDL10は115および83 mg/kg体重/日である。現在のデータにADIを改訂する理由はない。
ANSパネルは齧歯類における前胃の過形成はもはやヒトのリスク評価にとっては関連がないと考える。ラットの子どもの発育遅滞や死亡率増加および行動への影響が見られるより高濃度に安全係数100を採用してADIは1 mg/kg体重/日とした。このNOAELでラットで観察される前胃過形成のBMDL10もカバーされる。さらに現在の使用量で精密化された推定摂取量は一般的にADIの1 mg/kg体重/日より低い。
BHAは発がん性があるとかいう主張があったら、情報源としてはいけない目印)