食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 化粧品の真の物語

Competitive Enterprise Institute競争事業研究所
The True Story of Cosmetics
Dana Joel Gattuso
October 2011
http://cei.org/sites/default/files/Dana%20Joel%20Gattuso%20-%20The%20True%20Story%20of%20Cosmetics.pdf
環境団体EWGと共同で「安全な化粧品のためのキャンペーン」が行ってる化粧品や衛生用品についての消費者を怖がらせる宣伝活動への反論。合成化学物質を排除したい環境団体の最新の標的が化粧品。保存料などは細菌の増殖を防ぐためのものでそれらが健康リスクになるという科学的根拠はない。
(化粧品に化学物質を使うなというキャンペーンは成功するのだろうか?そもそも「自然な化粧」というのは矛盾してないか?)

  • 過体重?地域を変えろ

ScienceNOW
Overweight? Change Neighborhoods
19 October 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/10/overweight-change-neighborhoods.html?ref=hp
もし体重が増え始めたら、あなたの主治医は良く運動するように助言するだろう。しかし新しい研究では動く必要があるのはあなたの身体だけではないかもしれないことを示唆する。貧しい環境から脱出することで過体重や糖尿病になる可能性が減る。
The New England Journal of Medicineに発表された論文。

  • IQは十代の脳では固定されていない

IQ Is Not Fixed in the Teenage Brain
19 October 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/10/iq-is-not-fixed-in-the-teenage-b.html?ref=hp
十代の間にIQは増減しそれは脳に反映されている。
IQテストが何を計っているのかについては議論があるものの、ある種の能力を予想できることについては合意されていた。長い間IQスコアはその人の人生において比較的安定していると考えられていて、IQの変動を示す研究は測定エラーや環境などの要因を排除できなかった。
そこでUniversity College Londonの神経科学者Cathy Priceらはスコア以外のものも測定した。2004年に12-16才の33人(男の子19人女の子14人)を検査し、2008年に15-20才になってから再び検査した。どちらもIQの他にMRI測定も行った。その結果、劇的な変化がみられた。最初の検査と2回目の検査で、彼らの言語及び非言語IQスコアは20ポイントも増減した。そして脳のスキャン結果はスコアの差を反映していた。Natureにオンライン発表された。
(鉛の知能への影響とか、どう考えるのかな)

  • Wellness Letter

November 2011
http://www.wellnessletter.com/html/wl/wlTOC.html
・目の健康によいという食品やサプリメントの背景は?
栄養不良が良くないのは明確だが食品やサプリメントで目の健康が保てるというしっかりした根拠はない。
・ステルス野菜(野菜のピューレを他の食品に混ぜる)、シーバックソーン(サジー)の法外な宣伝文句、電子レンジにまつわるインターネットに出回っている怖い話、メタボリックシンドロームに意味はあるか、身体のバランス、など
セイタンとは何?それは健康的?
What is seitan? How healthy is it?
http://www.wellnessletter.com/html/wl/2011/wlAskExperts1111_01.html
セイタンは別名小麦グルテンで肉の代用品である。アジアの伝統料理だったが数十年前に西洋でマクロビオティックが流行したときにセイタンの名前で小麦グルテンが入ってきた。
セイタンは伝統的には小麦粉を水と混ぜた生地をデンプンが無くなるまで洗って作る。残ったグルテンの塊を切って肉の代わりに使う。セイタンは低カロリーで飽和脂肪やコレステロールを含まず、肉と同じ程度のタンパク質を含む。カルシウムと鉄を微量含むが繊維は含まない。ナトリウムには注意する必要があり、一回分で400 mg以上含むものがある。
ベジタリアンレストランなどでメニューにあることがある。しかしグルテン不耐なら食べないこと。

  • 人々は「食習慣についてもっと正直になる必要がある」

BBC
Public 'need to be more honest about eating habits'
13 October 2011
http://www.bbc.co.uk/news/health-15289625
大臣が、肥満を減らすためには人々がどれだけの量を飲み食いしているのかについてもっと正直になる必要がある、と言う
イングランドの新しい肥満対策で個人の責任の重要性を強調している。そして「脂肪税」のような行動を変えるための規制の導入については否定した。
ただし専門家はそれでは問題は解決できないと言う。肥満は個人の責任だけの問題ではない。

  • 東アジアの海についての口論

Natureニュース
Angry words over East Asian seas
Published online 19 October 2011 | Nature 478, 293-294 (2011)
http://www.nature.com/news/2011/111019/full/478293a.html
中国と近隣諸国の領海争いに研究者や科学雑誌が巻き込まれている。中国が海の支配を拡大したがっていることは秘密ではない。国連が認めた日本、台湾、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、フィリピンなどの経済領域を中国が自分のものだと主張している。研究者は前線に立たされている。戦闘は雑誌にも及んでいる。中国人研究者が投稿する論文の地図は中国が主張する拡大された領土を示すものが使われている。例えば2010年のNatureに投稿された気候変動に関する論文の地図では南シナ海のほとんどが中国領土になっている。先月57人のベトナム人科学者や技術者などがNatureや他の雑誌にそのような地図の使用について異議を申し立てる文書を送付しオンラインで公開した。

Forbes
A bad week for the nutritional supplements industry
10/16/2011
http://www.forbes.com/sites/stevensalzberg/2011/10/16/a-bad-week-for-the-nutritional-supplements-industry/
我々はずっとビタミンは良いものだと知っていた。ビタミン欠乏による病気にはビタミンが良く効く。少量で良いものならたくさん摂ったらもっといいに違いない、と直観的には明白なように思える。この直観がサプリメント企業を巨大なものに育ててきた。しかし問題は、我々の直感は間違っているということである。先週、高用量ビタミンやサプリメントは役に立つどころかむしろ悪いことを示す数万人規模の2つの別々の研究が発表された。これらの研究で著者らはサプリメントを摂ることは正当化できないとしている。これらの研究の結果は大々的に報道されたがサプリメント業者はこれらのビタミンへの攻撃はデータのねつ造であるなどと主張している。
結局のところたくさんの野菜や果物を含むバランスの取れた食生活をすれば必要なビタミンやミネラルは摂れる。サプリメントは欠乏している場合にのみ必要で、ほとんどの人にとってはお金の無駄でひょっとすると有害である。ちょうどリンゴの季節だし、ホウレンソウはちゃんと料理すると美味しい。
(日本ではそんなに報道されていないような気がするのだが)