食品安全情報blog過去記事

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Regulation: Industry asks FDA to ban bisphenol A in baby bottles and sippy cups
October 17, 2011
http://pubs.acs.org/cen/news/89/i42/8942notw9.html
何年もの間食品飲料容器のビスフェノールAの安全性を擁護してきた米国化学工業協会(ACC)が、FDAにほ乳瓶と幼児用マグのビスフェノールA禁止を要請した。消費者にそのような製品は市販されていないことを明確にするために方針を変えた。
ACCのポリカーボネート/BPAグローバルグループの事務局長Steven G. Hentgesは、最近11の州がほ乳瓶と幼児用マグのBPAを禁止したことが、そのような製品が米国で販売されているという誤解を招いているという。既に数年前から市場の要求により製造業者はそれらにBPAを使用していない。化学企業はBPAが安全だという立場を変えていないが、環境団体はACCがそのような申請をしたことはBPAが有害だということを認めたのだと主張している。EWG代表のKen Cookは「BPAがヒト健康にリスクとならないなら、なぜ制限を申請したのか?」と。Edward Markey下院議員はFDAにさらに全ての容器からBPAを禁止するよう求めている。FDAはACCの申請については60日間のパブリックコメントを募集してから決定するとしている。
ACCのプレスリリース
ACC Asks FDA to Revise Certain Regulations on Bisphenol A (BPA) in Baby Bottles and Sippy Cups
http://www.americanchemistry.com/Media/PressReleasesTranscripts/ACC-news-releases/ACC-Asks-FDA-to-Revise-Certain-Regulations-on-Bisphenol-A-BPA-in-Baby-Bottles-and-Sippy-Cups.html
(確実ではない根拠で何かが危険だと煽る→消費者が不安だという→不安なら安心のために禁止しておく→禁止したのは有害の証拠→やっぱり悪かったのだ・これから影響が出るか、とさらに不安、で無限ループ)

  • 1日にコップ3杯のミルク?違うかもしれない。

ScienceInsider
Three Glasses of Milk a Day? Maybe Not
20 October 2011
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/10/three-glasses-of-milk-a-day-maybe.html?ref=hp
ミルクをたくさん飲むと健康でいられる?2010年のオランダのWageningen大学研究センターのミルク摂取と心血管系疾患の関連についての研究のプレスリリースによればそうである。しかし火曜日に大学は、この研究の著者の一人である有名なハーバード大学の疫学者Walter Willettがこの主張を「誤解を招くもの」で「著しく歪んでいる」と言ったためこのプレスリリースを取り下げたようだ。
昨年のプレスリリース(オランダ語)では、ミルクや乳製品摂取の心血管系疾患と死亡への影響についての17の研究のメタ解析について説明していた。この研究はオランダ乳業協会が資金援助したもので昨年American Journal of Clinical Nutritionに発表された。プレスリリースでは見出しが「ミルクは心血管系疾患対策に効果的」とし、WURの栄養学者Sabita Soedamah-Muthuが、メタ解析の結果1日にコップ3杯のミルクを飲むことは心血管系疾患リスクを18%下げると言っているとした。このテキストには1960年代から70年代に使われたオランダのキャンペーン広告が含まれ、その漫画の少年の主張した「1日にコップ3杯のミルク」は正しかったとしていた。
先月WURは、アニマルライツグループのWakker Dierがオランダ宣伝基準局に苦情をもし建てたあとに、見出しと本文に「〜なようにみえるappears to be」を挿入した。Wakker DierはWURが研究費の半分を乳業業界から得てしばしば宣伝機関となっていると主張している。
Willettは2003年にWURで学位をとったが、先月の声明を読んで憤慨した。それは「全体のデータのごく一部で、ほかの大部分の根拠は心血管系疾患に利益があるということを支持しない。」と言う。Soedamah-Muthuは自分は基本的に独立で企業からの研究への口出しはなかった、と言っているが、Willettは「企業がお金を出した研究の結果が企業に都合の良いように間違って提示された場合、影響があったと疑われるのは当然だろう」という。何週間かの折衝を経て、火曜日に大学と研究者らは説明文を発表した。それによるとそのプレスリリースは限られた事例のヨーロッパでの4つの研究に基づくもので、より広範な解析の結果では有意差はなかった。またこの論文を根拠に栄養上の助言はできないとも明記した。もともとのプレスリリースは削除されていないが最後の部分にこのプレスリリースは正しくないという注意書きが加えられた。

  • Steve Jobsはがんの代替治療を試して手術を避けた、と本は言う

LA Times
Steve Jobs put off surgery to try alternative cancer cures, book says
October 21, 2011
http://www.latimes.com/business/la-fi-steve-jobs-book-20111021,0,4719729.story
Steve Jobsの新しい伝記によると、2003年10月に神経内分泌腫瘍(通常増殖が遅く治療しやすい比較的希なタイプの膵臓がん)であると診断されてから9ヶ月手術を遅らせた、という。その代わりに彼は完全菜食主義食事療法、鍼、ハーブレメディおよびその他の彼がウェブで見つけた治療法を試し、霊能者に相談すらした。さらにジュース断食や大腸洗浄やその他の根拠のないアプローチを行っている診療所を運営している医師にも影響を受けていた。著者のWalter Isaacsonは本の中で「Jobsは「私は自分の身体を開けられたくなかったので、他に方法はないか試してみた」と、何年も経ってから私にやや残念そうに語った」と書いている。本のタイトルは"Steve Jobs"で、月曜日に発売される。
医師はこの遅れが生存に影響したかどうかは明確ではないとしている。このがんに罹ったヒトは、気がつかないまま9ヶ月よりすっと長く生きる。だから致死的になるのにどのくらいかかるのかわからない。

http://economictimes.indiatimes.com/news/news-by-industry/et-cetera/steve-jobs-decision-to-put-off-surgery-and-rely-on-fruit-juices-herbal-remedies-infuriated-his-family-biography/articleshow/10437497.cms
こっちの記事では前立腺がんを克服した友人であるインテルの元社長Andrew GroveがJobsに食事療法や鍼はがんの治療にはならないと話した、とある。
(急にたくさん報道されている)