食品安全情報blog過去記事

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携帯電話は「脳腫瘍リスクを増やさない」

Mobiles 'don't increase brain cancer risk'
Friday October 21 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/10October/Pages/mobile-phones-brain-cancer-risk.aspx
Daily Telegraphが「携帯電話使用者の大規模調査で長期使用による脳腫瘍発症リスクが増加するという根拠はみつからなかった」と報道した。問題の研究はデンマークにおける1987年から2007年の30才以上の成人の携帯電話契約と国の記録を調査したもので、携帯電話の契約の有無と脳腫瘍のリスクを比較した。その結果13年以上の長期使用者であっても脳腫瘍リスクの増加は見つからなかった。この研究には大規模で任意抽出で過去の携帯使用について記憶によらないなどの強みもあるが、携帯電話の契約を使用の代わりの指標にしているという限界がある。さらに仕事で携帯電話を使っている人を誤分類する可能性がある。研究者らは脳腫瘍は希なためごく僅かなリスク増加の可能性を排除できないとも注記している。
この研究は「証明」とはできないが、10-15年以上の携帯電話の使用が成人の脳腫瘍リスク増加に関連しないようだということについての幾分かの再確認にはなる。重要なことは、携帯電話を使っていてもいなくても脳腫瘍は希であり、いまだリスクへの大きな影響は検出されていないということである。