食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース

国立精神衛生研究所
A Parent’s Guide to Autism Spectrum Disorder
http://www.nimh.nih.gov/health/publications/a-parents-guide-to-autism-spectrum-disorder/complete-index.shtml

  • William Spurlock医師が重大な告発に直面

Casewatchより
William Spurlock, M.D. Facing Serious Charges
Stephen Barrett, M.D.
http://www.casewatch.org/board/med/spurlock/complaint_2011.shtml
Dallas/Ft. Worth地域で4年間繊維筋痛症疲労センターを運営していたWilliam Spurlock医師が12人の患者治療に関して専門職としてふさわしくない多数の行為を行ったことで問責されている。
患者に繊維筋痛症または慢性疲労症候群、ライム病などと診断し根拠のない不必要な検査を受けさせ患者にとって適切ではない治療を行っていた。Spurlock医師はこれまで別に3回懲戒処分を受けている。
患者には抗菌剤や抗ウイルス剤、テストステロン、睡眠薬などを処方していた。甲状腺ホルモン濃度が正常であったにもかかわらずトリヨードチロニンを投与し甲状腺機能亢進症にした、など多数。

  • 科学の民主主義のために

For the Democracy of Science
Alyssa Pelish
http://www.shawnotto.com/downloads/Science-2011-Pelish-454-5.pdf
Shawn Lawrence Ottoの本Fool Me Twiceの書評
著者は一般の人々と選挙で選ばれた人達の、政策決定に必要な科学リテラシーの欠如を懸念している。政治が科学的根拠ではなくイデオロギーや感情に基づくことで、国家の基本が民主主義から権威主義に向かいつつある。アメリカ人が科学を遠ざける理由としては核の時代の恐怖、環境汚染による惨劇などが一般の人々の不信を残し、キリスト教右派権威主義者とポストモダン権威主義による客観的真実の否定が科学的判断を損なってきたと主張している。さらに科学者が社会に向き合わないことも指摘している。
(イラストが「もし選挙に勝ったら私は万有引力の法則を廃止する」と言っている人)

二度騙される:アメリカにおける科学への攻撃との戦い
Fool Me Twice: Fighting the Assault on Science in America
Shawn Lawrence Otto
http://www.amazon.com/Fool-Me-Twice-Fighting-Assault/dp/1605292176#_

Shawn Lawrence Ottoのブログ
The UnAmerican War on Science
By Shawn Lawrence Otto | Oct 27, 2011
http://shawnotto.com/neorenaissance/blog20111027.html
アメリカの場合は宗教がからむ創造論が大きな問題)

  • 製品レビュー:乳糖不耐用製品(ラクターゼ酵素と乳糖フリーミルク)

コンシューマーラボ
Product Review: Review of Products for Lactose Intolerance (Lactase Enzymes and Lactose-Free Milks)
10/28/11
https://www.consumerlab.com/reviews/lactose-free-milk_lactase-enzyme-supplement-review/lactose-intolerance/
乳糖フリーミルクやラクターゼを添加した製品は本当に乳糖不耐のヒトにとって役に立つか?それはどれだけの量の乳糖を除いてあるか、酵素がどういう形で添加してあるかによる。コンシューマーラボは10のラクターゼサプリメントと3の乳糖フリーミルクを検査した。その結果サプリメントの1つは効果はないだろうこと、2つは活性が少なすぎて意味があるかどうか疑問であるという結果だった。乳糖フリーミルクから乳糖は検出されなかったが1つはビタミンDが少なかった。

LATimes
October 31, 2011
Halloween's dilemma: Candy vs. healthful treats
http://www.latimes.com/health/la-he-halloween-20111031,0,7973303.story
ハロウィーンの夜に子どもたちに何を渡すべきか悩むという話
ハロウィーンシーズンに売れるキャンディーは約6億ポンドでそのうち9000万ポンドがチョコレート。金額にして今年は23億ドル。
しかし子どもの肥満や虫歯などの問題点が指摘されていて、甘いものの代わりにフルーツや砂糖なしガムを薦める、食べ物ではなくステッカーや文房具にする、お菓子を少しだけにする、お祭りそのものを止める、などいろいろな提案がある。ただし年に一度の行事がそんなに問題なのだろうか?

  • 政府のトップ科学者が、メディアのお気に入りの反BPA研究者の馬鹿げた主張について、裁判の弁護士との関係を問いつめる

Forbes
Top Government Scientists Catch Media's Favorite Anti BPA Researcher in Absurd Claims, Ties To Trial Lawyers
Trevor Butterworth, 10/27/2011
http://www.forbes.com/sites/trevorbutterworth/2011/10/27/top-government-scientists-challenge-leading-anti-bpa-researcher-on-misrepresentation-ties-to-trial-lawyers-and-claiming-he-refuted-specific-research-years-before-it-was-actually-published/
von Saalに対するかなり手厳しい批判
メインはToxicological Sciencesに発表された論文(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20110728#p10)に対するvon Saalの異議申し立てとそれ対する著者からの反論
http://toxsci.oxfordjournals.org/content/early/2011/10/20/toxsci.kfr275.short?rss=1
この手のやりとりにしては珍しくかなり痛烈な批判。
根拠のない批判はオリジナルの仕事の信用を傷つけることはできない、と。
von Saalのひどい主張のひとつは著者らが言ってもいないことを勝手にねつ造していること、さらに著者らが彼らの主張を支持するものとして引用した3つの論文(2008年のものが2つと2010年のものが1つ)を、von Saalらが書いた2007年の論文で否定したと主張しているが当然のことながら2007年の論文に2010年の論文の内容は引用されていない(そんなことは不可能)など。
Butterworthはvon Saalについてはサイエンスではなくgamesmanship(駆け引き)が仕事と切って捨てる。von Saalは企業の資金を使った研究をバイアスがあると否定するが、もしそうなら、von Saal自身がBPAの健康影響に関する裁判の被告側証人でありBPAなどの環境ホルモンの分析を仕事とする企業の最高経営責任者であるためバイアスがあるのは明確である