Sense about Science
"Tinned food chemical alert"
23 November 2011
http://www.senseaboutscience.org/for_the_record.php/78/quottinned-food-chemical-alertquot
2011年11月23日水曜日、JAMAに発表された缶詰製品を食べると人体のビスフェノールA量が増えることを示唆する研究をBBCニュースやTelegraph、Daily Mailなどが報道した。
ここにエジンバラ大学生殖健康センターRichard Sharpe教授のコメントを掲載する。
このCarwhileらの研究は良くデザインされていてヒトのBPAの主要暴露源が食品であるという我々の理解の一致する。しかし繰り返し缶詰スープを食べるとBPA暴露が著しく高くなるという劇的な方法で提示されている。問題は、この研究では検討していないが、これが健康に有害かどうかである。
この研究で測定しているのは尿中BPAで、主に不活性なBPAである。最新の最も質の高いヒト研究ではBPAは極めて速やかに代謝されて活性のある形態のBPAは血中では検出できないほど微量である。従って缶詰スープを食べると摂取量は上がるが組織レベルでの暴露量はほぼないであろう。
より広いレベルで、BPA暴露と肥満などの関連を示唆する横断研究はたくさんある。BPAが原因なのか不健康な食生活の結果なのかは解明されていない。この研究でもそれは解決されていない。
- Canned Soup Consumption and Urinary Bisphenol A: A Randomized Crossover Trial
Jenny L. Carwile et al.,
JAMA 2011;306(20):2218-2220
http://jama.ama-assn.org/content/306/20/2218.2.extract
缶詰スープを毎日340mL 5日間、2日間の休みを入れて缶でないスープを5日間、でその逆と2集団。どちらも缶詰を続けて食べた直後は尿中濃度が高い。食べないと低いので排出が早いことも確認できる。
