食品安全情報blog過去記事

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トータルダイエットスタディ:ニュージーランドの食品への信任

Total Diet Study a vote of confidence for New Zealand food
http://www.foodsafety.govt.nz/elibrary/industry/total-diet-study.htm
12月1日MAFが発表した2009トータルダイエットスタディは、ニュージーランドの食品の残留化学物質や汚染物質による食品安全上の懸念はないことを確認した。
この5年後毎の調査ではよく食べられている123の食品の残留化学物質や汚染物質、栄養素を調べている。この研究によりMAFは8つの年齢−性集団の食事からの暴露量を推定し監視することができる。このデータから食品安全上のリスク管理戦略に影響するだろう傾向を読みとることができる。
2009 TDSの全ての年齢性別集団で、241の残留農薬の暴露量は全てADIより十分少なかった。93%はADIの0.1%未満だった。TDIは食べる状態で実測しているため、最も正確な暴露量推定を提供する。測定法の進歩により検出される化合物の種類は増えているが、暴露量そのものは減少傾向で喜ばしい。また鉛や水銀、メチル水銀カドミウムヒ素も懸念材料にはならなかった。
食事由来の鉛は合理的に達成可能なほど低く、水銀とメチル水銀はWHOのPTWI以下であった。ただし大型の捕食性の魚などの高濃度の水銀を含む魚をたくさん食べる人達ではメチル水銀暴露量は相当多い可能性がある。カドミウムはWHOによるPTMIより少なかった。
栄養素の摂取状況ではナトリウム摂取量が6集団で健康に有害影響のあるレベルを超過していた。25歳以上の女性でのみこの量以下であったが、それでも一般的健康のために必要な量の2-4倍である。好ましい点は一部の集団で減少傾向にあることである。
報告書本文
2009 NEW ZEALAND TOTAL DIET STUDY
http://www.foodsafety.govt.nz/elibrary/industry/total-diet-study.pdf
ヒ素については、総ヒ素を測定している。シーフードの場合10%を無機、その他の食品については100%無機という保守的推定で、1.3 μg/kg bw/week(11–14 year girls)から3.1 μg/kg bw/week( 6–12 month infant)の範囲。
これはBMDL0.5(肺がん)  3.0 μg/kg bw/dayと同程度であるが既にas low as reasonably achievable (ALARA)だとしている。