食品安全情報blog過去記事

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EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

  • 酸化的ストレス:予想されているより害は少ない?

Oxidative stress: Less harmful than suspected?
5-Dec-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-12/haog-osl120511.php
心疾患や神経変性疾患、がんや加齢などの多くの病気が酸化的ストレスで悪化すると考えられている。酸化的ストレスは活性酸素種(ROS)と呼ばれるものが過剰にある組織であるとされる。しかし生きた生物で直接酸化的変化を観察することはできなかった。
Tobias Dickらはショウジョウバエの遺伝子にバイオセンサー遺伝子を導入し、細胞が酸化すると発光して生涯観察できるようにした。その結果加齢により全身に酸化物が蓄積するということはなく、高齢でも腸にのみ酸化物が蓄積していた。
また今日まで、根拠がないにもかかわらず抗酸化物質がしばしば酸化的ストレス予防効果があり健康によいと宣伝されている。そこでNアセチルシステイン(NAC)を餌に加えたところ酸化物の減少は観察されず逆に各種組織で酸化物産生が増加した。
Simone C. Albrecht et al.,
In vivo mapping of hydrogen peroxide and oxidized glutathione reveals chemical and regional specificity of redox homeostasis.
Cell Metabolism 2011, DOI:10.1016/j.cmet.2011.10.010
(抗酸化作用があると言われているものは単に酸化還元反応しやすいだけのものなので反応相手との関係によっては酸化促進にだって働く可能性はあるよね)