食品安全情報blog過去記事

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食品中のテトラブロモビスフェノールA(TBBPA)とその誘導体についての科学的意見

Scientific Opinion on Tetrabromobisphenol A (TBBPA) and its derivatives in food
EFSA Journal 2011;9(12):2477 [61 pp.].
19 December 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2477.htm
TBBPAとその誘導体は難燃剤として広く使われている。またポリマー製造の中間体としても使用されている。ノルウェーとスペインから2007-2010年の344の食品中の分析データがEFSAに提出された。全て「食品及びその他シーフード」で、全ての分析結果は定量限界(LOQ)(およそ1 ng/g湿重量)未満だった。TBBPの毒性試験が行われており、主な標的臓器は甲状腺ホルモンの恒常性である。遺伝毒性はない。発がん性があることを示唆するデータはない。CONTAMパネルは甲状腺ホルモンの変化を重要な参照ポイントとしてBMDL10を16 mg/kg体重とした。データの不確実性のためこれを健康のための山椒うちの設定に使うのは不適切であると判断し、曝露マージン(MOE)アプローチを使った。MOEは大きいため現状の食事からのTBBPA暴露は健康上の懸念とはならない。母乳経由での乳児の曝露も健康上の懸念とはならない。小さな子どものハウスダストからの追加曝露も健康上の懸念とはなりそうにない。