食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品や飼料中にT-2とHT-2トキシンが存在することに関する動物と公衆衛生リスクについての意見

Opinion on the risks for animal and public health related to the presence of T-2 and HT-2 toxin in food and feed
EFSA Journal 2011;9(12):2481 [187 pp.].
19 December 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2481.htm
T-2とHT-2トキシンは各種Fusarium種の産生するカビ毒で、欧州委員会がEFSAに食品や飼料中にT-2とHT-2トキシンが存在することに関するヒトや動物の健康リスクについて科学的意見を求めた。ヨーロッパ22か国から2005-2010年に集められた食品や飼料や未加工穀物中のT-2とHT-2トキシンの合計についての20519の測定結果が評価に用いられた。T-2とHT-2トキシンの合計濃度が最も高いのは穀物穀物製粉製品で、特にオート麦とオート麦製品に多い。穀物穀物ベースの食品、特にパンやベーカリー製品、穀物製粉製品、朝食シリアルがヒト暴露量に最も多く寄与する。T-2トキシンは速やかに代謝されて多数の産物になるが、主要代謝産物はHT-2トキシンである。T-2トキシンの毒性影響についてはブタが最も感受性が高く、最も感受性の高いエンドポイントは免疫学的および血液学的影響である。これらのデータを用いてベンチマーク用量解析を行い、T-2とHT-2トキシンの合計についてTDI 100 ng/kg体重を設定した。入手できる情報から慢性ヒト推定暴露量は全ての年齢集団でTDIを下回り、健康上の懸念とはならない。(最も高くて幼児の95パーセンタイルで91 ng/kg体重)反芻動物、ウサギ、養殖魚でも健康上の懸念とはならないがブタ、家禽、イヌ、ウマでは有害健康影響リスクは低いと考えられる。ネコについては評価できない。