食品安全情報blog過去記事

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母乳を与えられている赤ちゃんはミルクを与えられている赤ちゃんよりよく泣く

Behind the Headlines
Breastfed babies cry more than formula-fed babies
Wednesday January 11 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/01January/Pages/breastfed-babies-cry-more.aspx
Daily Mailが「母乳は本当にいいのか?」と疑問を呈している。ある研究でミルクで育てられている赤ちゃんの方が泣くことが少なく寝付きがよいことがわかった、と報道している。しかしながらこの研究は母乳により赤ちゃんが不幸になることやミルクの方がよいことを証明したものではない。Mailの報道は3ヶ月齢の赤ちゃんの母親に何で育てているか、赤ちゃんのご機嫌はどうかを尋ねたもので、3ヶ月時点では母乳及び混合の場合の方がミルクのみの赤ちゃんの母親に比べると子どものご機嫌取りが難しいと評価した。母乳で育てている赤ちゃんのほうが笑いが少なくよく泣き寝付かせるのが難しいと報告された。
この小規模試験の知見は新米ママにとって赤ちゃんをミルクで育てる方が良いように見える。しかし赤ちゃんに何を与えているかが直接行動の原因であることを証明することはできないし、母親の労働状態や他の子どもがいるかどうか、育て方の選択に影響する要因、母親の教育レベルや子どもの機嫌の認識などの幅広い問題について考慮されていない。また機嫌指数の差は極めて小さく、それが日常にとって意味のある差なのかどうかはわからない。評価は母親の主観による。
研究者らが指摘しているように、泣いたりむずかったりするのは赤ちゃんにとってお腹が空いたことを表明する普通の方法である。また母乳で育てている新米ママはしばしば足りているのかどうか心配になるので、母乳を与えた場合の赤ちゃんの行動について情報を与えられることは役に立つかもしれない。
保健省は生後6ヶ月までは母乳のみを与えるように薦めており、この研究により助言が変更されることはない。