食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

北欧諸国の携帯電話の使用と神経膠腫頻度1979-2008:一貫性チェック

Mobile Phone Use and Incidence of Glioma in the Nordic Countries 1979-2008: Consistency Check
I Deltour et al.,
Epidemiology: POST AUTHOR CORRECTIONS, 13 January 2012
doi: 10.1097/EDE.0b013e3182448295
http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Mobile_Phone_Use_and_Incidence_of_Glioma_in_the.99516.aspx
一部の症例−対照研究で携帯電話の使用に関連する神経膠腫のリスク増加が報告されている。もしそれが本当なら発症頻度の時間的傾向に影響するはずである。そこで1979-2008年の20-79際の男女の年齢調整罹患率を解析した。1979-2008の罹患率の年次変化は男性で0.4%(95%CI 0.1-0.6%)、女性で0.3%(0.1-0.5%)で、20-39才では1987年以降減少、40-59才では変化無し、60-79才では僅かに増加であった。この時間的傾向と、症例−対照研究で示されている15年でリスクが2.0になるという推定とは一致しない。結論としては、発症にはこの観察期間30年より長い時間がかかる、一部の症例対照研究で報告されているよりリスクは低い、あるいは関連はない、ことを示唆する。