食品安全情報blog過去記事

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「揚げものは体に悪い?」

Sense about science
"Is fried food bad for you?"
25 January 2012
http://www.senseaboutscience.org/for_the_record.php/87/quotis-fried-food-bad-for-youquot
2012年1月25日にDaily Mail、Daily Telegraph、Sunが報道した記事は揚げた食品と心疾患の関連は使った油の種類のみに依存することを示唆するように見えた。例えばDaily Mailの記事では「フライ料理は使った油の種類により、心疾患や早期死亡のリスクを上げない」という。BMJに発表された新しい論文は、スペインにおける揚げた食品の摂取と冠動脈心疾患の関連を調べたものである。ここにこの研究の報道について注意すべき理由を2人の栄養士が説明する。
英国心臓基金のVictoria Taylor
これは地中海食についての研究であって英国のフィッシュアンドチップスについてのものではないことに注意。我々の食生活はスペインとは違うため、同じ結果になるかどうかはわからない。使用した調理方法にかかわらず、脂肪の多い食品を食べることはカロリーが高いことを意味する。その結果体重が増えて肥満になり心疾患のリスクとなる。心臓のためには野菜や果物が多く、脂肪の多い食品は少しだけのバランスのとれた食生活がベストである。
英国栄養士会のHelen Bond
地中海食は心臓に良いことが長く知られているので栄養士としては地中海食を薦めている。ひまわり油やオリーブ油で揚げた食品は心臓にとっては健康的であるが、もし英国人の外食と飽和脂肪を大量に食べる文化に採用するとコレステロールレベルに大きな影響があるだろう。脂肪を一定量摂るのは良いことだが、それは我々の食生活の中核とすべきではない。
Consumption of fried foods and risk of coronary heart disease: Spanish cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study
BMJ 2012;344:e363
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e363
フライドポテトもリスクと関係ない
1日あたりのフライ食品の摂取量は男性0-817 g/day 、女性 0-657 g/day、平均138g(マックのフライドポテトMサイズ1つ分くらい)