食品安全情報blog過去記事

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Thyrotoxic hypokalemic periodic paralysis due to dietary weight-loss supplement.
Akinyemi E et al.
Am J Ther. 2011 May;18(3):e81-3.
チロキシンを含むサプリメントを2-3週間使用したことによる2人の患者の症例報告

  • Enzyteによる急性肝炎

An Enzyte'ing' case of acute hepatitis.
Ramanathan VS et al.
J Clin Gastroenterol. 2011 Oct;45(9):834-5.
ナチュラル男性機能増強サプリメントEnzyteによる肝障害の症例報告

  • 食品や食品成分として使用されている天然物の安全性と規制

The safety and regulation of natural products used as foods and food ingredients.
Abdel-Rahman A et al.
Toxicol Sci. 2011 Oct;123(2):333-48
FDAの規制と完全性確保のための試みを説明したもの

Rhabdomyolysis associated with the use of a mislabeled "acai berry" dietary supplement.
Elsayed RK et al.
Am J Med Sci. 2011 Dec;342(6):535-8.
痩身用サプリメントを使用して2週間後に横紋筋融解症になった22才の男性。使用していたサプリメントにはアサイーベリーと表示されていたがアサイーベリーは検出できなかった。(原因物質は不明)

  • Lactobacillus rhamnosus(乳酸菌)投与による心臓手術患者の敗血症−プロバイオティクスの安全性ガイドラインを改訂する時期か?

Lactobacillus rhamnosus administration causes sepsis in a cardiosurgical patient--is the time right to revise probiotic safety guidelines?
Kochan P et al.,
Clin Microbiol Infect. 2011 Oct;17(10):1589-92.
大動脈弁交換手術前にプロバイオティクスを投与されていた24才の女性患者が敗血症になり、血液の培養の結果原因はLactobacillus rhamnosusだった。ここ数年病院でのプロバイオティクスの使用が増加している一方でプロバイオティクスによる有害事象も増えている。安全性のためのガイドラインが必要。

  • ヨーロッパコホートにおける肝細胞がんのリスク要因と疾患負荷:ネステッド症例対照研究

Hepatocellular carcinoma risk factors and disease burden in a European cohort: a nested case-control study.
Trichopoulos D et al.,
J Natl Cancer Inst. 2011 Nov 16;103(22):1686-95. Epub 2011 Oct 21.
EPICの1992-2006データから肝細胞がん125例を同定、そのうち115例と対照229例を比較して各種リスク要因との関連についてオッズ比を計算した。その結果HBVHCVより喫煙の寄与が大きいこと、アルコールの大量飲酒と肥満が疾患負荷に計測可能な寄与をしていることがわかった。EPIC参加者は一般人より健康に気を付けている可能性が高いのでこれは過小推定である可能性がある。

  • ゴジベリー(クコの実)による全身性光過敏症

Systemic photosensitivity due to Goji berries.
Gómez-Bernal S et al.,
Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2011 Oct;27(5):245-7.
サプリメントを使っていた53才男性の症例報告

  • トマトの皮:胆管閉塞の希な原因

[Tomato peel: rare cause of biliary tract obstruction].
Hagymási K et al.,
Orv Hetil. 2011 Nov 20;152(47):1907-10.
ハンガリー語
総胆管にトマトの皮が詰まって腹痛・嘔吐を訴えた91才の女性患者の症例報告

  • マラリアによる死亡の新しい推定:懸念とチャンス

Lancet
Vol.379 | Number 9814 | Feb 04, 2012
エディトリアル
New estimates of malaria deaths: concern and opportunity
マラリアの犠牲者はこれまで推定されていたより多い
Christopher JL Murray et al.,
Global malaria mortality between 1980 and 2010: a systematic analysis

  • XMRVとCFS−悲しい物語の終わり

Lancet
Vol.379 | Number 9814 | Feb 04, 2012
コメント
XMRV and CFS—the sad end of a story
Frank JM van Kuppeveld and Jos WM van der Meer
CFSに関する科学論文はしばしば議論と感情的反応を引き起こしてきた。
結局XMRVは実験室でのコンタミでヒトの病原体ではないだろう。これまでいくつかの感染因子がCFSに関連すると報告されたが何一つ確認されたものはなく、患者はこれまで通りよくわからない状態のままである。残念ながら病因を必死に探している患者達に偽りの希望を与えたもう一つの事例が追加されたと結論するしかない。
(犯人探しもほどほどにして、↓の、原因はともあれ上手くおりあっていく方法を探す、というスタンスのほうが現実的なのではと思う。最初から何かを断罪するために被害者がいて欲しい人達もいるので要注意。)