食品安全情報blog過去記事

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実測データがない場合にEFSAの科学委員会が使っているデフォルト値についてのガイダンス

Guidance on selected default values to be used by the EFSA Scientific Committee, Scientific Panels and Units in the absence of actual measured data
EFSA Journal 2012;10(3):2579 [32 pp.].
07 March 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2579.htm
ヨーロッパ成人の体重:70kg、1-3才は12kg、乳児は5kg
1日の総液体摂取量は成人については2L、子どもは年齢に応じて。
動物実験で餌に混ぜて投与した場合の化学物質について、慢性試験では飼料中1 mg/kgはラットの場合0.05 mg/kg体重/日、マウスでは0.15 mg/kg体重/日。
亜慢性試験ではそれぞれ0.09と0.2、亜急性試験では0.12と0.2。
通常動物実験は5-7週齢で開始するがもし25週齢以降で始めた場合には慢性試験の係数を使う。
飲料水で投与した場合は、慢性試験では飲料水中1mg/Lはラットの場合0.05 mg/kg体重/日、マウスでは0.09 mg/kg体重/日。亜慢性では0.09と0.15、亜急性では0.12と0.18。
動物実験の結果をヒトに外挿する場合は全体として不確実係数100(種差10個体差10)
キネティクス(体内動態)とダイナミクス(作用メカニズム)に妥当なデータがある場合はそれを使い、残りの不確実性については、トキシコキネティクスの種差は4、トキシコダイナミクスの種差は2.5、トキシコキネティクスのヒトの個人差は3.16、トキシコダイナミクスの個人差は3.16。
評価に必要なデータがない場合には追加の不確実係数(UF)を使う。
齧歯類の亜慢性試験結果を慢性試験に外挿する場合はUF は2。亜急性から慢性へは外挿しない。
BMDアプローチを用いる場合にはUFは必要ないがLOAELを使う場合には必要に応じてUFを使う。
例外的に重大な影響については追加のUFを使う。
遺伝毒性発がん物質についてはMOEアプローチを用いる。
UFを複数回掛け合わせる代わりに確率論的不確実係数分布の使用を検討している。
丸め方は分析方法による。意味のある数字への影響が10%以内になるように丸める。