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Pink Slime
April 16, 2012  By Carmen Drahl
http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/04/Pink-Slime.html
サウスダコタの肉加工業者Beef Products Incにとってほんの数年でどれだけ変わったことだろう。2008年にワシントンポストはこの会社を牛肉から細菌を取り除いたと褒め称えた。1990年代から食肉業界は大腸菌の脅威におののいていたため、技術の勝利に見えた。しかし今日、同じ工程がメディアや人々にけなされている。そしてこの会社のスター製品lean finely textured beef (LFTB)(脂肪の少ないきめの細かい牛肉)が食欲を減退させるピンクスライムという名前をつけられて悪名高いものになってしまった。
ピンクスライムの物語は、透明性に欠ける企業が食品について十分情報を伝えられた上での選択をしたいと望み謎のように思える食品加工努力を疑っている一般の人々とぶつかったときに何が起こるかの事例研究である。
LFTBは牛肉の切り落としから作られる。ウシからステーキなどを切り出すと、いろいろな大きさの肉のかけらが生じる。それらは脂肪が多く、細菌に汚染されている可能性が非常に高い。廃棄物を減らすためにBeef Productsとアグリビジネス大企業Cargillは化学を使った。Beef Productsでは切り落としを約38℃に加熱して脂肪を溶かし、遠心機でタンパク質と脂肪を分離した。細菌を殺すためにタンパク質部分にアンモニアのガスを吹き付ける。アンモニアは肉に含まれる水分と反応して水酸化アンモニウムになり、pHが9.35にまで上がる。この高いpHに細菌は耐えられず死ぬ。そしてできたきめの細かい牛肉は冷凍されて小さなチップにカットされて他の切り落としと混ぜて挽肉になる。最終的に肉100g中のアンモニア濃度は0.02g程度になる。この濃度はサラミやブルーチーズと同程度である。牛肉の殺菌剤としてのアンモニアに初めて特許をとったのはBeef Productsの創業者Eldon Rothである。しかしFTBを作るための方法はいくつかあって多くの場合食用のクエン酸や乳酸を使っている。
Beef Productsがメディアで取り上げられるのはこれが初めてではない。2009年にはNew York Timesアンモニア処理は必ずしも細菌を全て殺さないと報道した。
ピンクスライム騒動がおこって農務省は一部の肉製造業者にLFTBの表示を求めた。当局はかつてBeef Productsに、アンモニアは加工助剤であり表示する必要はないとしていた。
ピンクスライムのイメージを変えるのは今や手遅れかもしれないが、企業は、人々が騙されたと感じた場合に起きるだろう騒動を避けて、動物を無駄にしないことのメリットをもっと上手に消費者に伝えることができただろう、とCSPIのSarah Kleinは言う。

しかしこのサイトhttp://usnews.msnbc.msn.com/_news/2012/01/31/10282876-mcdonalds-drops-use-of-gooey-ammonia-based-pink-slime-in-hamburger-meat?chromedomain=vitalsのJamie Oliverのやり方は印象操作。遠心機の代わりに洗濯機を使うことで嫌悪感を増幅させ、どくろマークのアンモニアを大量にかけて当然それが残存していると思わせる。マスクしていないでむせてもいないところを見ると相当薄い溶液か、あるいはアンモニアは入っていないんだろう。

  • 謎の病気が地域を悩ませる

Mystery Disease Haunts Region
Science 13 April 2012:
Vol. 336 no. 6078 pp. 144-146
アフリカの子どもたちの「うなずき症候群」について。
1959年に発見された「うなずき症候群」同様の症状がここ数年ウガンダ南スーダンで流行していて注目を集めている。最初は普通の子どもで、思春期を迎える頃に動きが鈍くなり食べなくなり、知能が衰え、てんかん大発作をおこすようになる。徐々に機能不全が進行し事故や栄養不良、二次感染などで死亡する。原因は不明で現時点ではビタミンB6不足と寄生虫Onchocerca volvulus感染が疑われている。しかし重要な課題はこの地域の苦難はこれだけではなく栄養不良と感染症で多数が死亡し医療資源は乏しいということである。

  • 中国は一部の医薬品の販売を中止

Wall Street Journal
China Halts Sale of Some Drugs
April 16, 2012
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304299304577347563418936068.html?mod=googlenews_wsj
中国の医薬品当局がクロムを過剰に含むカプセルを使った13の医薬品の販売を停止した。そのうち11は伝統ハーブでのこり2つは抗生物質である。いずれも中国の製薬会社が浙江省の小規模業者から購入したカプセルを使ったものである。中国中央電視台CCTV)は日曜日にこれら有毒カプセルは工業用ゼラチンから作られたと報道した。地元メディアはクロムの由来は皮革スクラップで、皮なめしに使われたクロムが含まれていた。新華社通信は22人は警察に拘留されたと報道している。