食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 見当違いの抗議

Natureエディトリアル
Misplaced protest
Nature Volume:485,Pages:147–148 Date published:(10 May 2012)
http://www.nature.com/nature/journal/v485/n7397/full/485147b.html
Rothamstedの遺伝子組換え小麦は栽培を認められるべきである
世界でも最も古い農業研究センターであるRothamsted研究所の植物科学者達は、最新のGM小麦の実験のために何年も費やしてきた。そして今Rothamsted研究所の研究者達は作物の生長を見守る代わりにGM反対活動家達が予告した5月27日までの日数を神経質に数えている。
Take the Flour Backという団体は一般から支持されていると信じている。Rothamstedの研究者達はメディアキャンペーンを行って一般からの支持を得る試みをしている。膠着状態は続いていて、GM作物はまだ存在し、抗議団体の破壊する意思も続いている。
この種の抗議は実際に成果があり、ドイツのBASFは今年組換え植物についての業務をヨーロッパからアメリカに移した。世界の多くの地域で農家がGM作物を育てているが欧州では一部の例外を除き育てていない。失われたものが多いという根拠がある。除草剤耐性菜種は北米の除草剤使用量を減らし、耕起を減らして環境上のメリットをもたらした。害虫耐性GM綿は殺虫剤の使用を減らした。それにも関わらずヨーロッパの反GMは明確である。世界人口が増加する中で、科学的根拠のないGM反対はいまや環境への脅威である。感情やイデオロギーに基づく反対は愚かなことである。
もちろんこのような理性的説得で強固な反対派が納得することはないだろう。アニマルライツの場合と同様、反GM活動家による破壊活動が本当に一般の人達から支持されるのかどうかは明確ではない。

  • あなたの中の細菌はあなたの食べたものによる

ScienceNOW
Your Inner Bugs Are What You Eat
by Kai Kupferschmidt on 9 May 2012
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2012/05/your-inner-bugs-are-what-you-eat.html?ref=hp
ヒトの中にヒト細胞より多い腸内細菌の研究−マイクロバイオーム−がブームである。
ワシントン大学のJeffrey Gordonらはいろいろな年齢の532人の米国中およびベネズエラマラウイに住む人の糞便検体を集めた。DNAを抽出して16S rRNAを使って細菌を分類した。
3つの集団でマイクロビオームは同じように成熟していく。乳児は少ない種類から始まって3才で成人と同様の多様性に到達する。アメリカ先住民とマラウイ人の成人マイクロバイオームは驚くべき相同性を示すが、アメリカ人とは違う。アメリカ人のマイクロバイオームはベネズエラ人より約25%種類が少ない。
またマイクロバイオームで発現している遺伝子も違い、マラウイベネズエラではでんぷんの分解に関与するαアミラーゼが多く、米国人はアミノ酸や単糖を分解する遺伝子が多い。研究者らはこれが食生活の違いを反映していると考えている。
Human gut microbiome viewed across age and geography
Tanya Yatsunenko et al.,
Nature (2012) doi:10.1038/nature11053
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11053.html

  • 新しい研究:保健専門家は食品へのバイオテクノロジー利用と持続可能な農業を支持

マーケットウォッチ
New Study: Health Professionals Support Biotechnology's Use In Food Products And Sustainable Farming
April 24, 2012
http://www.marketwatch.com/story/new-study-health-professionals-support-biotechnologys-use-in-food-products-and-sustainable-farming-2012-04-24
United Soybean Boardが市場リサーチ会社に委託して行った栄養士や看護師などの医療専門家対象の調査。バイオテクノロジーを利用して栄養価を高めたり健康上のメリットのある作物を作ることについては概ね好意的。

  • 医師らは人前で大統領がジャンクフードを食べることを禁止することをホワイトハウスに請願する

PCRM (Physicians Committee for Responsible Medicine)
Doctors Petition White House to Bar Obama, Biden From Eating Junk Food in Public
May 8, 2012
http://www.pcrm.org/media/news/white-house-bar-obama-biden-junk-food-photos
英国首相と一緒にバスケットボールの試合を見に行ってホットドッグを食べ、ロシア大統領と一緒にチーズバーガーを食べる写真が報道されている。前の大統領達もアイスクリームやビッグマックなどの不健康な食品を食べるところが写真に撮られたことがある。PCRMは大統領が数百万人のアメリカ人のロールモデルとして、人前で食べるものに責任を持つべきだと考える。

ホットドッグやその他の肥満と関連しがんの原因となる食品を大統領の写真から排除するように申請する
Exclude hot dogs and other obesity- and cancer-causing foods from photo ops that feature the president.
May 09, 2012
https://wwws.whitehouse.gov/petitions/!/petition/exclude-hot-dogs-and-other-obesity-and-cancer-causing-foods-photo-ops-feature-president/j5wWlCT6?utm_source=wh.gov&utm_medium=shorturl&utm_campaign=shorturl
(PCRMは時々日本でマクガバン・レポートなどという単語と一緒に紹介される。この団体を一般の人がどう見てるかはこのプレスリリースを見ればわかるのでは。賛同者が多いと思う?)