食品安全情報blog過去記事

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人間開発指数による世界のがんの推移(2008—2030):集団ベースの研究

Global cancer transitions according to the Human Development Index (2008—2030): a population-based study
Lancet Oncology
http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(12)70211-5/abstract
今後数十年で世界中でがんが主要死因になるだろう。そのパターン変化を人間開発指数HDI)で評価してみた。HDIは寿命や教育GDPなどの複合指標で、低、中、高、極めて高いの4レベル。
2008年に最もHDIの高い地域では女性の乳がん、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がんが全体の半分を占める。中程度のHDIの地域では食道、胃、肝臓がんもよく見られ、これら7つのがんで中−極めて高いHDIの国のがんの62%を占める。低HDI国では子宮頸がんが多い。中−高HDI国では子宮頸がんや胃がんなどの感染症関連のがんが減っても乳がん前立腺がん、大腸がんなどの生殖や食生活関連がんの増加で相殺されるであろう。
(でも日本の場合がんは途上国といっていいプロフィールだからまだまだ改善の余地はあるし、がんによる死亡率がどれだけ増えても死亡年齢が高くなるならそれはいいことだし)