食品安全情報blog過去記事

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鶏卵の高濃度DL-PCBのリスク評価

Risk assessment of high DL-PCB levels in hen’s eggs
07.06.2012
http://www.bfr.bund.de/cm/349/risk-assessment-of-high-dl-pcb-levels-in-hens-eggs.pdf
ノルト・ライン・ウェストファーレン州の企業の鶏卵を分析したところ高濃度のダイオキシン及びダイオキシン様PCBが検出された。BfRには現在7つの分析結果しかない:4つは公的検査、3つは生産者の自主検査である。この濃度の卵がどのくらいの期間市場にあったのかBfRはわからない。現在入手できるデータから健康影響評価を行った。
ダイオキシンダイオキシン様PCBは極めて難分解性で脂肪組織に蓄積し非常にゆっくり代謝される。動物実験でみられている慢性影響は生殖、免疫、神経系への影響やホルモンバランスへの影響等が含まれる。これまでこれらの影響がどこまでヒトに当てはまるかについては確立されていない。一部のダイオキシンダイオキシン様PCBは発がんリスクを上げると考えられている。高用量ダイオキシンダイオキシン様PCBによる急性影響は意図的暴露か工場や労働環境での事故の後にのみ観察されている。
検出された最高濃度(30 pg WHO-PCDD/F-PCB-TWQ/g卵脂肪)程度のダイオキシンダイオキシン様PCBを含む卵を食べるとTDIを超過する可能性がある。長期間(年単位)TDIを超過しなければ短期間TDIを超過することは許容できる。
従ってこの場合は、短期の卵摂取が消費者の健康リスクとなることはありそうにない。

先にドイツ語で発表された意見の要約のみ英語版
http://www.bfr.bund.de/cm/343/gesundheitliche-bewertung-von-ueberhoehten-pcb-gehalten-in-huehnereiern.pdf

(North Rhine-Westphalia/Germanyのオーガニック卵とLower Saxony/Germanyの放し飼い卵に汚染が見つかり、飼料・水・土壌が原因ではない
5月にはOldenburg/Germany でNon-dioxin-like PCBsの汚染が見つかった
一部は土壌由来と考えられるが
http://www.ourfood-news.com/2012/05/22)