食品安全情報blog過去記事

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EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

  • 感染がどのようにがんにつながるか

How infection can lead to cancer
11-Jun-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-06/miot-hic061112.php
PNASに6月11日オンライン発表された研究。
肝臓、大腸、胃のがんの大きなリスク要因のひとつが細菌やウイルスの感染による慢性炎症である。MITの研究者がどのようにしてそのような感染が組織をがん化させるのかについての包括的知見を提供する。マウスにヘリコバクターを感染させ、各種化学的遺伝的変化を追跡した。
免疫系が細菌やウイルスなどの病原体を検出すると炎症が起こり炎症が長引くとがんにつながる。マウスにH. hepaticusを感染させると肝臓と大腸に慢性感染し一部のマウスには大腸がんができる。20週間にわたるDNA、RNA、タンパク質への傷害と肝臓と腸での違いを追跡した。
(誰か免疫力アップでがんになりやすく!とか言わないかなあ〜)

  • 「悪い」食生活は心血管系疾患リスクを増やす

'Bad' dieting increases cardiovascular disease risk
10-Jun-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-06/bc-di060812.php
スウェーデンの25年研究がNutrition Journalに発表された。
1970年代に北スウェーデンが国内で最も心血管系疾患が多く、男性では世界一高頻度だった。この問題に対応するため1985年にVästerbotten 介入計画 (VIP)が設立され、やがて全国に拡大された。この計画には食品表示の改善、健康情報、調理デモンストレーションや健康診断、食事助言を含むカウンセリング、などが含まれ今日まで継続している。
この計画と心血管疾患リスク要因をモニタリングするWHO MONICAプロジェクトのデータを併せて評価した。
VIPは脂肪や炭水化物の摂取に影響を与えた。1992年までに男性の脂肪摂取量は3%女性は4%減少しその後2005年まで一定だった。VIPでは脂肪の摂取量が減っただけでなく種類も変わって、バターから低脂肪スプレッドに代えたことなどがコレステロール濃度の低下として反映された。2005年以降総脂肪及び飽和脂肪の摂取量が増加し1986年と同様になり、複合炭水化物の摂取量が減った。これはメディアでの低GIダイエットのプロモーションと時期を同じにする。結果としてコレステロール低下薬が使われるようになったにもかかわらずコレステロール濃度が増加し始めた。