食品安全情報blog過去記事

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その他論文等

  • アデレード、南オーストラリアの就学前自働の栄養摂取と栄養状態

Nutrient intakes and status of preschool children in Adelaide, South Australia
Med J Aust 2012; 196 (11): 696-700.
https://www.mja.com.au/journal/2012/196/11/nutrient-intakes-and-status-preschool-children-adelaide-south-australia
2005-2007年の1-5才の子どもの横断調査。
エネルギー摂取量の中央値は推奨の範囲内。炭水化物から50%、タンパク質から17%、脂肪から33%で飽和脂肪は16%。オメガ3長鎖脂肪酸の摂取量を満たしているのは32%のみで食物繊維は18%。社会経済状態と栄養摂取に関連はなかった。

Health problems in the temporary housing in Fukushima
The Lancet Volume 379, Issue 9833, 16–22 June 2012, Pages 2240–2241
Keitaro Harasawa et al.
南相馬総合病院からLancet, 379 (2012), pp. 880–881の東日本大震災1周年記事への追記
災害による最大の悲劇の1つは放射線への恐怖による地域社会や家族の崩壊である。若い人達が離れたため、病気を抱えてた高齢者が一人仮設住宅に取り残された事例が急増した。福島では2012年1月の10664避難世帯のうち1323が65才以上の独居者で孤独死が22件、被災3県では2012年2月までに少なくとも1465人の避難者が死亡した。
放射線への恐怖は医療者とその家族でも同様で南相馬地方の医師や看護スタッフは減ってる。南相馬放射線量は比較的少ないので医療スタッフを増やす支援が必要である。

  • モンサントはブラジル全体のGM大豆の特許料収入を失うかもしれない

Natureニュース
Monsanto may lose GM soya royalties throughout Brazil
15 June 2012
http://www.nature.com/news/monsanto-may-lose-gm-soya-royalties-throughout-brazil-1.10837
法廷闘争で農家がさらに勝利を獲得
ブラジル最高裁の今週の判決でモンサントGMラウンドアップレディ大豆から得た収益数十億ドルを失うのにさらに一歩近づいた。
ブラジルの農家が過去10年にモンサントに支払ったものを取り返そうとする長きにわたる法廷闘争の新たな一章が加わった。
ブラジルは世界で2番目のGM作物生産国で、アルゼンチンからこっそり持ち込まれたGM種子が既に栽培されていることが明らかになった2005年以降GM作物を栽培するのが合法になっている。合法化以降モンサントはブラジルの農家からラウンドアップレディ大豆の販売の2%を要求し、同時に非GMとして販売されている大豆の検査を行ってもしそれがラウンドアップレディなら農家に売り上げの3%を課金するとしている。2009年に、農家の団体がラウンドアップレディとそうでない大豆を見分けるのが不可能なので不公平だと裁判をおこした。モンサントはブラジルの農家の多くが今でも密輸種子を使っていて同社は不利益を被っていると主張している。4月にRio Grande do Sulの判事がラウンドアップレディの特許は既に切れているのでモンサントが課金するのは違法だと判定し2004年以降に集めたお金を払い戻すよう命令した。モンサントは控訴したが受け容れられなかった。