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FSAIは食品業者に食品のアレルゲン管理を強化するよう求める

FSAI Calls on Food Businesses to Strengthen Food Allergen Controls
Monday, 18 June 2012
http://www.fsai.ie/allergens_compliance_audit_18062012.html
FSAIは、アレルゲン表示についてのコンプライアンス監査を終え、食品製造業者に対してアレルゲンのコントロールと表示施策強化を求めた。FSAIの監査の結果一部の事業者のアレルゲン管理とコントロールがアレルギーや不耐のある人の健康を守るのに不十分であることが明らかになった。小規模、中規模、大規模事業者の一部に対して行われた監査では食品のアレルゲン表示が一貫せず、しばしば間違って行われていることがわかった。
この監査は食品アレルゲン表示のレビューの一環として未公表の12製造業者を対象に行われた。対象になったのは製パン業、チョコレート製造業、コンビニ食品やスナック製品製造業者、肉や魚業者などである。
4つのうち1つの製造業者でアレルゲンの交叉汚染の相当なリスクがあった。スタッフのトレーニングは一貫せず、一部の業者では全く行われていなかった。何らかのアレルゲントレーニングが行われていたのは2/3のみだった。
・2/3の事業者は製品により異なるアレルゲン表示をしていて誤解を招くとまでは行かなくても混乱のもとになる
・12のうち10社は自主的に予防表示をしていたがそのうち5社のものは正当ではなく、従って不適切である。
・予防表示は、その食品のリスクが極めて少ない場合でもしばしば小売業者がそれを要求するという理由でなされていた。
リスク管理の標準である専用製造ラインを持っていた事業者はひとつもなかった。
食品に関してゼロリスクはないとしても、アレルギーや不耐のある人の困難はある程度はGMPと適切で正確な表示により緩和できる。事業者が適切な管理をする代わりに「ナッツを含むかもしれない」や「ナッツを使っている工場で生産された」という予防表示を使うことは許容できない。このような予防表示による防衛は食物アレルギーのある人の食べられるものを必要以上に制限してしまう。
報告書はこのサイトからダウンロードできる