食品安全情報blog過去記事

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コーヒーは心不全をおこすのか予防するのか?

Behind the Headlines
Does coffee cause or prevent heart failure?
Thursday June 28 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/06june/Pages/coffee-linked-with-heart-failure.aspx
「1日2杯のコーヒーは心不全リスクを下げるが5杯は悪いかもしれない」とDaily Mailが報道した。この一見矛盾した見出しは実際公正ではあるがやや過剰に熱狂的にコーヒーと心不全の関連を調査した研究を報じたものである。心不全は心臓が必要な量の血液を送り出す能力がない状態のことで、多くの原因があるが最もよくあるのは心発作である。このレビューはコーヒーを飲む量と心不全になったかどうかを調べた5つの大規模研究の結果を合わせたもので、全くコーヒーを飲まないヒトに比べて4-5杯飲むヒトは11%リスクが低かった。過剰に飲んでもメリットはなく興奮作用がある。一部の研究には心発作既往の人が含まれるため、コーヒーについて評価したときに既に心不全であったかどうかは明確ではない。系統的レビューは良い根拠にはなるがこの結果の解釈には注意が必要である。全ての研究ではコーヒー摂取は自己申告であり、質問は一回だけでその後の変化を考慮していない。高血圧や肥満などの他のリスク要因の調整についても一貫していない。全体としてはこのレビューはコーヒーと心不全リスクの関連の可能性を示唆するもののコーヒーが良いと証明したものではない。心臓の健康とコーヒーの関連はこれまでの研究結果は一貫しておらずまだ明確ではない。たいていの場合そうであるように、適度であることが重要である。