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食品中残留塩化ジデシルジメチルアンモニウム (DDAC)の健康評価

Health assessment of didecyldimethylammonium chloride (DDAC) residues in food
11.07.2012
http://www.bfr.bund.de/cm/349/health-assessment-of-didecyldimethylammonium-chloride-ddac-residues-in-food.pdf
DDACの現在のMRL 0.01 mg/kgを超過する食品が検出された。2012年6月29日に発表された最初のBfRの評価(ドイツ語のみ)ではごく僅かのデータにのみ基づいていた。その後たくさんの追加データが入手できたことから、評価を更新する。
DDACは陽イオン性界面活性剤に属する四級アンモニウム化合物で、消毒剤や界面活性剤として使用されている。DDACはバイオサイドでもあり農薬の有効成分でもある。さらに植物強化剤として使用される製品にも含まれる。
入手できたデータからは、DDACのバックグラウンドレベルは、ほとんどの作物に当てはめられるデフォルトの最大残留基準を超過していることを示す。入手できるデータからは必ずしも原因は明確ではない。柑橘類や大きな熱帯フルーツ、例えばバナナやマンゴ、については、しばしば特に高濃度が検出されている。これらの果物が収穫後にDDAC処理されているようだ。生鮮ハーブにも高濃度検出があり、これらは植物強化剤の使用によると考えられる。また植物を植えるポットの消毒も原因であるようだ。ミルクやアイスクリーム殻の検出は機械や装置の消毒による可能性がある。
ドイツとヨーロッパの摂取量データから、BfRは汚染食品からのDDAC摂取量を推定した。ARfDもADIも超過することはない。BfRは消費者にとって急性及び慢性のリスクはないと結論した。
BfRは適切なレベルまでDDACのMRLを引き上げるのが妥当だと考える。また食品と接触する装置の適切な洗浄方法についての明確なガイドを作ることも薦める。