食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

ヨーロッパ人の鉛食事暴露

Lead dietary exposure in the European population
EFSA Journal 2012;10(7):2831 [59 pp.].
11 July 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2831.htm
鉛は天然の環境汚染物質で、過去には水道管、塗料、ガソリンに使われていたことで存在が多くなっている。食事は鉛の主要暴露源である。鉛は人体に蓄積し最も悪影響が大きいのは小さい子どもの発達中の中枢神経系である。多くの健康影響に置いて閾値があるという根拠がないためTDIはない。塗料や食品用の缶、水道管、ガソリンから鉛を排除することで暴露を減らす規制が徐々に行われてきた。この研究では9年間に集めた食品中の鉛含量についての144206件のデータについて検討した。半分以上の食品の鉛含量は検出限界または定量限界以下であった。平均鉛濃度は乳児用フォローアップミルクの0.3 microg/kgから食事療法用食品の4300 microg/kgまで多様であったが、全てのカテゴリーの全体的中央値は21.4 microg/kgであった。解釈には注意が必要であるが、2003年から2010年の間に食品中の鉛濃度は約23%減少した。ヨーロッパ人の平均生涯食事暴露量は1日あたり0.68 microg/kg体重と推定される。暴露量が最も多いのは幼児や他の子どもで1.32-1.03 microg/kg体重/日である、一方乳児は0.83-0.91 microg/kg体重/日、成人は0.50 microg/kg体重/日。鉛暴露にとって重要な食品群はパンやロールパン(6.2%)、お茶(6.2%)、水道水(6.1%)、ジャガイモ及びジャガイモ製品(4.9%)、発酵乳製品(4.2%)、ビール及びビール様飲料(4.1%)である。ただし調査や年齢により幅がある。