食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • 公衆衛生のためのレギュラトリーサイエンス:機能性食品からリスク修飾タバコ製品まで

Regulatory science for public health: From functional food to modified-risk tobacco products
19-Aug-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-08/kcl-rsf081512.php
American Chemical Society (ACS)のシンポジウム。
消費者は毎日大量の製品の宣伝にさらされている。これらの宣伝は消費者に製品の安全性や性能を期待させ、それが正確であれば消費者に情報を与えられた上での選択を促進することができる。しかし宣伝内容をよく見ると、それが健康についてのものである場合には特に、その根拠はかつてより重要になっている。フィラデルフィアで開催されたACSの会合で、製品の宣伝がしっかりした科学的根拠に基づくことを確保するにはより協力が必要である、と科学者は述べた。「必要なのは科学のための科学ではなく、社会のための科学である」とDavid Richardsonは述べた。規制担当者は、あらゆる宣伝は最良の科学的根拠に基づくことを確保し消費者のために最高の水準を確保するため最良のツールと方法を用いるべきである。一方同時に製品の革新も促さなければならない。それは公衆衛生の促進と保護のためのレギュラトリーサイエンスの発展と活用にNGOや学会や企業の科学者などすべての関係者の協力によってのみ可能である。
例としてEUの健康強調表示、米国のリスク緩和タバコ製品について取り上げている。

  • Andrew Wakefieldの訴訟は却下された

http://www.casewatch.org/foreign/wakefield/libel_suit/dismissal.pdf
詳細はBrian Deerの報告を
http://www.casewatch.org/foreign/wakefield/libel_suit/deer-amended-declaration.pdf

Brian Deerのサイト
http://briandeer.com/
HIV否定論なども

  • 「伝統的」動物用漢方薬−現代のおとぎ話

“Traditional” Chinese Veterinary Medicine – A Modern Fairy Tale
David Ramey, DVM
http://www.doctorramey.com/acupuncture/traditional-chinese-veterinary-medicine-a-modern-fairy-tale/
中国の古典をまともに読めば、「伝統的動物用漢方薬」などというものを主張している人たちが歴史的事実をゆがめていることは明白である、という話。馬のツボを鍼で治療したとか西洋獣医学ではないホリスティックな治療だとか。
(獣医の世界も代替医療ブームで困っているらしい。動物は文句が言えないので)

  • 米国の監視機関は炭塵暴露の規制強化を支持

ScienceInsider
U.S. Watchdog Agency Backs Basis for Tightening Rules on Coal Dust Exposure
by David Malakoff on 17 August 2012
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/08/us-watchdog-agency-backs-basis-f.html?ref=hp
政府説明責任局(GAO)が、炭坑安全性規制担当部門による新しい規則の提案はしっかりした科学的根拠があると結論した。
GAOの報告書では1968年以降米国では炭塵による肺疾患で75000人以上の炭鉱労働者が死亡しているとしている。そして最近の研究ではいわゆる黒肺病と言われる病気が増えていて、26州で働く85000人の炭鉱労働者が脅かされている。この脅威を削減するために2010年10月にDepartment of Labor's Mine Safety and Health Administration (MSHA)が空気中の粉塵の許容濃度を引き下げることを提案した。しかし石炭業界はこの動きに抗い、この提案の根拠となった研究が間違っているとし共和党下院議員がそれに同調してGAOにレビューを求めていた

NYTimes
Johnson & Johnson to Remove Formaldehyde From Products
Published: August 15, 2012
http://www.nytimes.com/2012/08/16/business/johnson-johnson-to-remove-formaldehyde-from-products.html?_r=1
パーソナルケア用品を製造しているJohnson & Johnsonが、ホルムアルデヒドのような有害な可能性のあるたくさんの化合物を製品から排除する計画を発表した。環境団体や消費者団体の要請に応えた形。2010年にはProcter & Gambleが同様の団体からの要望で1,4-ジオキサンのシャンプー中濃度を下げるため製品の組成を変更している。
Johnson & Johnsonはウェブサイトでこの対応を“moving beyond safety”と説明している。科学的には安全性に問題はないが消費者が心配だと言うので対応する、と。
(活動家にとってはエンドレス飯の種。消費者はいい加減賢くならないと)