食品安全情報blog過去記事

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Prions: A Piece of the Puzzle?
Debomoy K. Lahiri
Science 7 September 2012: Vol. 337 no. 6099 p. 1172
レター。
2012年6月22日号のScienceにS. B. Prusinerがアルツハイマー病がプリオン病であるという仮説を提示し、それを受けてアルツハイマー病が輸血で感染するかもというニュース報道がなされ、インターネットに警告が流れた。ただしこの仮説には多数の欠点があり、アミロイドベータ(Aβ)タンパク質をプリオンと呼んで人々の恐怖をかき立てるのは適切ではない。
(Prusiner博士はプリオンがとにかく重要と考えている人なのでBSEのリスク評価で参考にすべき人ではないのだけれど。献血拒否とか医療現場にも影響するし。ノーベル賞の権威は大きい)
Aβがアルツハイマー病の原因なのか結果なのかもわかっていない。Aβを標的にした新薬の知見は最近残念な結果に終わったと報道されたばかり。
Alzheimer’s drugs take a new tack
http://www.nature.com/news/alzheimer-s-drugs-take-a-new-tack-1.11343
Johnson & Johnsonと PfizerのbapineuzumabとEli Lillyのsolanezumab
ただし彼らはアミロイド仮説を捨てたわけではなく、症状が出るようになってからでは遅いのではないかと考えている。しかし予防薬には課題が多い

  • バブルティーの「パール」にPCBが検出された

Bubble tea ‘pearls’ found to have PCBs
September 6, 2012
http://www.healthzone.ca/health/article/1252642--bubble-tea-pearls-found-to-have-pcbs
ドイツの研究者がこの人気のあるドリンクに警鐘を鳴らしている
ドイツで、タピオカパールの入った甘いお茶であるバブルティーに使われているパールからPCBが検出されたと衛生環境医学研究所のManfred Möllerがドイツの新聞Rheinische Postに述べた。製品は台湾産だという。トロントのバブルティーに同じ製品が使われているかどうかは不明。
この記事かな
Gladbach: Giftspuren in Bubble Tea
http://www.rp-online.de/gesundheit/news/gladbach-giftspuren-in-bubble-tea-1.2961716
濃度がわからないのだけれど
(もともとは肺に入るリスクという話が規制可能かどうか検討するということで汚染物質を調べているらしい。
タピオカでんぷんの微量の汚染物質なら普通に検出されるだろう。)

Scientologists offer Vietnamese Agent Orange 'detox'
CHRIS BRUMMITT Associated Press
September 07, 2012
http://www.news.com.au/news/agent-orange-victims-get-scientology-detox/story-fnejlrpu-1226466921235
ベトナム戦争で使われたエージェントオレンジにより病気になった人々の団体Vietnam Association of Agent Orange Victimsの副会長 Dau Xuan Tuongは、24人のサイエントロジストが無料で治療を提供するためにハノイに到着したと述べた。2011年には北部のタイビン県で22人が治療を受けた。その結果健康が改善し一部は慢性の病気が無くなった、という。
米国大使館は彼らの計画に資金提供はしていないとのべ、体内にダイオキシンのある人に対する安全で有効な治療法は知らない、としている。
"Hubbard 法"が効果があるという根拠はなく、ベトナム政府がこの団体や治療法の問題点を知っていたかどうか不明。
(被害者はしばしばこの手の団体や詐欺師の標的とされるし、インチキ治療で病気が完治したなどと言ってしまうともともとの「被害」の主張が疑われるのだが)