食品安全情報blog過去記事

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マンモグラムが「欠陥のある遺伝子」をもつ女性の「乳がんリスクを増加させる」

Mammograms 'boost breast cancer risk' in women with 'faulty genes'
Monday September 10 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/09September/Pages/mammograms-and-breast-cancer-risk.aspx
Daily Mailが「マンモグラムが欠陥のある遺伝子をもつ女性の乳がんリスクを増加させる」と報道した。この話はマンモグラムが女性の乳がんリスクを増やすことを示唆するように見える。実際、この研究はX線CTスキャンを含む放射線暴露一般が、乳がんリスクを増加させることがわかっている遺伝子変異を持っている女性の乳がんリスクを増やすかどうかを調べたものである。30才前の放射線暴露は既にハイリスクの女性のリスクを増やすことを見いだした。メディアの見出しとは違って、マンモグラフィー単独ではリスクの増加は有意ではなく、この知見が偶然である可能性が示唆される。研究者らは特定の変異をもつ女性が放射線影響に感受性が高いかもしれないと推定している。乳がんの遺伝的リスク要因をもつ女性にはMRIや超音波のような放射線を使わない代替法の使用を勧めている。既に若いハイリスク女性の乳がんスクリーニングにはMRIが使われている。
重要なことはこの知見は女性の乳がんスクリーニングを阻止するものではないということである。マンモグラフィーは女性の乳がんによる死亡リスクをさげることがわかっている。放射線暴露による小さなリスクの増加より乳がんの早期発見のメリットが上回るであろう。
注:NHSの乳がんスクリーニングは50-70才の女性に3年に一回。徐々に47-73才に拡大している。