食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

よく使われているBPAについての流産の懸念

Behind the Headlines
Miscarriage concerns over common BPA chemicals
Tuesday September 25 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/09September/Pages/Chemicals-found-in-everyday-products-link-with-birth-defects.aspx
Daily Telegraphが今日「日常的化学物質が流産や先天異常と関連」と報道した。この話はビスフェノールABPA)のメスのサルの胎児の生殖発生への影響を調べた研究に基づく。BPAは食品容器や水のボトルなどによく使われる化合物で多くのプラスチックの製造にも使用されている。研究者らはある種のBPA暴露がメスのサルの胎児の卵巣にある卵細胞の発達の変化と関連することを発見した。この動物実験は近年注目されているよくある化学物質BPAの安全性に関するたくさんの研究にさらに付け加わるものである。マウスでの先の研究でBPAが乳児の発達に関して類似の影響を引き起こすことが示唆されていた。またBPAがある種のホルモンの作用を阻害あるいは干渉することが知られている。
BPAEUとカナダで予防的対策としてプラスチックのほ乳瓶への使用が禁止されている。
これまでの研究が齧歯類でおこなわれたものでこの研究が霊長類であることは注目に値する。そのため食の安全に関わる科学者にとってこの結果は懸念材料となるだろう。しかしながらこの研究の研究者はいくつかの技術的困難にぶちあたったといい、それはこの結果が完全ではないことを意味する。Telegraphが引用しているようにこの研究の批判者は使用したBPAの用量が通常ヒトが暴露されている量より遙かに高いと主張している。
この研究はTelegraph がほのめかしているような、BPAが流産やその他の先天異常と関連することを示したものではない。