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ビタミンDが風邪予防になるという「根拠はない」

Behind the headlines
'No evidence' that vitamin D protects against colds
Wednesday October 3 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/10October/Pages/No-evidence-that-vitamin-D-protects-against-colds.aspx
BBCニュースが「ビタミンDが風邪を止めるという根拠はない」、「ビタミンDサプリメントをとることで風邪が予防できることを示すしっかりした根拠はみつけられなかったと科学者が言う」と報道した。
このニュースはビタミンDが健康な成人の上部気道感染(URTI)の頻度や重症度を減らすかどうかを調べた質の良いデザインの試験に基づく。URTIとは風邪やインフルエンザを含む鼻や副鼻腔やのどに影響する感染症である。
一部の人たちがビタミンDが風邪予防になると主張していた。これは冬になると天然のビタミンD濃度が低下するからである。ビタミンDは日光にあたると作られる。このビタミンDの低下が免疫機能を低下させURTIに罹りやすくする可能性があり、サプリメントを摂れば免疫機能が強化されて感染症予防になると示唆されていた。
この理論を確認するために、研究者らは161人の健康な成人に18ヶ月間ビタミンDを与え、さらに161人にプラセボを与えた。参加者は毎月URTIの数や重症度を尋ねられた、結果はURTIの数や重症度に群間で差はないというものだった。
この研究は正常または正常に近いビタミンDレベルの人々でのもので、ビタミンD欠乏の場合にはサプリメントの役割がある可能性は残っている。
我々のほとんどにとって、定期的に手を洗い感染源を避ける以外に冬の鼻水を避ける簡単な方法はない。