食品安全情報blog過去記事

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お茶が大腸がんのリスクを減らす

Behind the Headlines
Tea cuts bowel cancer risk
Friday November 2 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/11November/Pages/Green-tea-cuts-bowel-cancer-risk.aspx
「緑茶は女性の大腸、胃、喉のがんリスクを減らすかもしれない」とDaily Mailが言い、読者はやかんを火にかけたかもしれない。Mailは人々のお茶を飲む習慣と消化器系のがんになるリスクについて調べた大規模長期観察試験について報道している。しかしながらこの研究の知見の解釈には注意が必要である。関連に有意差があったのは何らかの種類のお茶を定期的に飲んでいたヒトと定期的に飲まない人の間での何らかのタイプの消化器系がんリスクの14%減少のみである。中国人コホートであるため88%のお茶が緑茶であったためにメディアが緑茶を取り上げているのは仕方がないだろう。しかしながら研究者らが解析対象を緑茶に限定すると有意差がボーダーラインになり予防効果はゼロになる。さらに見出しとは違ってどんなお茶でも、緑茶だけでも、特定の消化器系がんリスクとの有意な関連は見られなかった。
全体として、この研究は興味深く質の高いものであるが、緑茶または他のお茶を飲むことが消化器系がんのリスクに影響するという決定的証拠にはならない。