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妊娠中に週に1杯のワインは「子どものIQに有害」

Bihind the Headlines
Weekly glass of wine in pregnancy 'harms kids' IQ'
Thursday November 15 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/11November/Pages/Just-one-glass-of-wine-a-week-in-pregnancy-damages-childs-IQ.aspx
「ワインを少しでも飲むと子どもが馬鹿になる」とSunの見出しが言う。この見出しは三重に悪い−恐怖を煽る、品のない攻撃性、挙げ句の果てに不正確である。Sunの見出しやもう少しましな他の報道は妊娠女性の飲酒と赤ちゃんのその後のIQについての調査に基づく。しかし多くの報道で明示されていないが、研究者らは胎児と母親のアルコール代謝に関する遺伝子の多様性についても調査している。研究者らはこれらの違いが子どもが8才の時のIQにどう影響するかを調べた。
4つの遺伝子変異が8才の時のIQと強く関連することがわかった。最もリスクの高いものと低いものの違いはIQ 3.5ポイント程度と推定され、それは比較的小さい差である。影響が見られたのは週に1-6ユニットの飲酒をする適量飲酒者のうちハイリスク遺伝子の母親の子どものみで、同じ遺伝子変異をもつが妊娠中に全く飲酒しなかった母親の子どもにはIQ低下は見られなかった。この研究の知見はある種の遺伝子型をもつ母親の子どもはアルコールの有害影響を受けやすいことを示唆する。この研究は現在の妊娠中の女性に対する飲酒の助言と矛盾するものではない。妊娠中または妊娠したい女性には、妊娠の最初の3か月は完全に断酒するよう助言している。
それを念頭に、同じ根拠からは、1か月に1杯ワインを飲んだからといって子どもが馬鹿になると心配して眠れなくなる必要はないことも示唆される。