食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • どのようにして社会運動が健康リスクの評価をゆがめるのか

Forbes
How Activism Distorts The Assessment Of Health Risks
By Geoffrey Kabat
http://www.forbes.com/sites/realspin/2012/11/20/how-activism-distorts-the-assessment-of-health-risks/
IARCの発がん性分類についての批判
ホルムアルデヒドや携帯電話、コーヒーなどの発がん性についての評価は問題が多い
Geoffrey Kabatは以下の本を書いたがん疫学者
Hyping Health Risks: Environmental Hazards in Daily Life and the Science of Epidemiology
(IARCの分類はリスク評価ではなくハザード評価なので、使い方が難しいのにメディアが単純化して報道するので)

  • マンモグラムのベネフィットに批判

Natureニュース
Benefits of mammograms under fire
21 November 2012
http://www.nature.com/news/benefits-of-mammograms-under-fire-1.11866
健康な米国人女性をスクリーニングすることによって同定された乳がんの約1/3が治療の必要のないものだったことを研究がみつけた
New England Journal of Medicineに発表された論文。この結果は既に激しい議論が行われているこの分野にさらに議論の種を加えた。
この研究は1976年から2008年の間の40才以上の米国人女性の乳がん頻度に与えるマンモグラフィーによるスクリーニングの影響を調べた。症状が出ないであろう100万人以上の女性が乳がんと診断されたと結論した。2008年だけでも7万人以上の女性、40才以上の女性のすべての乳がんの31%がそのような乳がんであると推定している。論文は「我々の研究はマンモグラフィーによるスクリーニングの価値に重大な疑問を提示した。」と結論している。「過剰診断による害はこれまで考えられていたより多分大きい。」
乳がんスクリーニングに全く意味がないという話ではなく、明らかなメリットはあるけれど害も大きいということで、そういうものをどう扱うかという話でもある。前立腺がん同様、それほど悪性ではないがんがあると診断された時にそれを治療しないでかつ心の平安を維持できるのであれば害は減らせるだろうけれど、できる?計る、知る、というのはそういうことなのだけれど。知る権利を振りかざす人たちに知る覚悟ができているとは思えない。)

  • 甘いもの好きで減量に取り組んでいる人に良い知らせ:ペプシが脂肪をブロックするソフトドリンクを発売

Daily Mail
Good news for slimmers with a sweet tooth: Now Pepsi launches FAT-BLOCKING soft drink
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2231701/Pepsi-launches-FAT-BLOCKING-soft-drink.html
日本でペプシスペシャルが販売されるというニュース。
英国栄養士会のスポークスマンによる「この製品の健康強調表示は疑わしい。多分吸収される脂肪はほとんど変わらない。デキストリンがヒトで効果があるという研究は一つもない。むしろ食物繊維たっぷりの野菜や果物ジュースのほうが良いだろう」というコメントを載せている。
(コメント欄には何故肥満の少ない日本で売られるのかというもっともな疑問も。ヨーロッパで認められることはありそうにないので、というのが答え。)

  • カリフォルニア:毒キノコスープの犠牲者増える

NYTimes
California: Toll Rises From Poisonous Mushroom Soup
November 21, 2012
http://www.nytimes.com/2012/11/22/us/california-toll-rises-from-poisonous-mushroom-soup.html?_r=0
高齢者ケア施設での毒キノコスープを食べたことにより3人目が死亡した。他に3人が中毒になっている。介護者が裏庭からとってきたキノコを毒キノコとは知らずに調理した。この施設は6床で介護者自身も中毒になっている。

  • 不健康なライフスタイルが「肝疾患の増加を押し上げている」

BBC
Unhealthy lifestyles 'fuel liver disease rise'
21 November 2012
http://www.bbc.co.uk/news/health-20410378
飲酒と肥満がイングランドをヨーロッパで予防可能な病気が悪化している数少ない地域にしている
医務部長のDame Sally Davies博士が年次報告書で65才未満の肝疾患による死亡が過去10年で20%増加したことを強調している。ヨーロッパのほとんどの国では減っている。肝疾患の3大要因である肥満、飲酒、診断されていない肝炎感染はすべて予防可能である。

  • 高齢の裕福な母の間で母乳がブーム

Telegraph
Breastfeeding boom among older, affluent mothers
20 Nov 2012
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9690088/Breastfeeding-boom-among-older-affluent-mothers.html
高齢の裕福な母親に後押しされて母乳ブームがおこっていて、30年前に記録が始まって以来最高レベルになった。
たとえ短期間でも母乳を与える母親が10人中8人以上になった。最も母乳を与える率が高いのは30才以上で管理職や専門職で高等教育を受けていて貧困率の最も少ない地域に住んでいる人たち。
ただし6ヶ月間母乳のみで育てているのは1%程度である。