食品安全情報blog過去記事

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その他

  • カフェイン入りおよびカフェインフリー飲料と2型糖尿病リスク

Caffeinated and caffeine-free beverages and risk of type 2 diabetes
Shilpa N Bhupathiraju et al.,
Am J Clin Nutr December 2012 ajcn.048603
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2012/11/14/ajcn.112.048603.abstract
ナース健康研究(NHS)の74749人の女性と医療専門家フォローアップ研究(HPFS)の39059人の男性について前向きにフォローし、コーヒー、紅茶、砂糖入り飲料、炭酸人工甘味料飲料と2型糖尿病リスクの関連を検討した。
NHSの24年間で7370、HPFSの22年間で2865の新たな2型糖尿病症例が見られた。
結論としては、カフェインの有無に関係なく、砂糖入り飲料の摂取と2型糖尿病の高リスクは関連し、コーヒーは低リスクと関連した。
(交絡を取り除くのは難しそう。コーヒーだけでもデカフェかどうか砂糖どのくらい入れるかどうか人工甘味料の使い方などいろいろありそう)

コンシューマーラボ
Product Review: Milk Thistle and Liver Formula Supplements
Initial Posting: 11/23/12
https://www.consumerlab.com/reviews/milk_thistle_and_liver_supplements/milkthistle/
11のサプリメントのうち4検体しか品質検査に合格しなかった・
ほとんどのサプリメントは重要な成分(シリマリン)が少ない

  • 化学物質の「スープ」が毒素と健康状態の悪さの関連をあいまいにする

Natureニュース
Chemical "soup" clouds connection between toxins and poor health
23 November 2012
http://www.nature.com/news/chemical-soup-clouds-connection-between-toxins-and-poor-health-1.11881
NIEHS/NTPの毒性学者Linda Birnbaum のインタビュー。
Scientific Americanの記事
「環境」には大気や水や食品や医薬品や心理的ストレスも含まれるので、ヒトの病気の原因として環境に由来するものは30%より大きい。遺伝子か環境かと言われたら両方。
肥満の流行には化学物質が関与していることが明確で、運動しなくて良いとか食生活に注意しなくていいというつもりはないが私の疑問は(化学物質が原因で)人々の脂肪や糖の代謝能力が変化していて太るのではないかということである。
この国の大気や水は昔よりきれいになったがまだ理想的ではない。昔は高濃度の鉛を心配していたが今は低濃度の鉛を心配している。そのこと自体はいいことである。
(いかにもNIEHSのヒトらしい。肥満の原因が環境中化学物質であるという主張は米国では歓迎されるだろうけれど結果的には良いことなのかどうか。)

  • 母親の死を減らすには女性の選択が鍵

Lancet エディトリアル
Women's choice is key to reduce maternal deaths
Volume 380, Issue 9856, 24–30 November 2012, Pages 1791
「偶然ではなく選択でBy Choice, Not By Chance」と題された2012年世界人口白書State of World Population 2012が発表された。安全でない中絶による母親の死を減らすために、女性の意志を尊重する家族計画の導入を提唱。
http://www.unfpa.org/swp
(途上国の問題ということになっているけれど日本がこの点で先進国と言えるかどうかは怪しい。)