食品安全情報blog過去記事

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1日1個のトマトが鬱を寄せ付けない?

Behind the Headlines
Does a tomato a day keep depression away?
Wednesday December 5 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/12December/Pages/Does-a-tomato-a-day-keep-depression-away.aspx
Daily Mailが「サラダを食べる理由がまた増えた:トマトを食べると鬱を防ぐことができる」と報道した。トマトはその特徴的な色のもとであるリコペンを多く含む。リコペンは抗酸化物質で、細胞を傷害から守ると信じられている天然化合物の一つである。これまでの研究で抗酸化物質の多い食品は脳卒中などのような肉体的疾患に予防効果がある可能性が示唆されていた。この研究では研究者らは鬱についても同様の予防効果があるかどうかに興味をもった。研究者らは70才以上の986人の日本人の精神衛生と食習慣を評価した。週に2-6回トマトを食べると回答したヒトの軽度から中程度の鬱症状を報告する可能性が、週に1回以下トマトを食べるヒトの46%低かった。他の野菜についてはそのような関連は見られなかった。
この研究には食事摂取量推定のエラーなど考慮すべき多くの限界がある。決定的なのはこの種の研究(横断研究)の本質的弱点で、直接の因果関係は証明できないということである。さらに交絡の問題がある。例えば、たくさんの野菜や果物を食べるヒトはより健康的なライフスタイルで運動も良くしている可能性があり、運動が精神衛生に良い影響を与えているのかもしれない。この研究は健康的なバランスのとれた食生活は肉体と精神の療法に良いという助言と一致する。
(天津医科大学東北大学。日本で話題になってないような?)