食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

  • 肥満のレベルが高いことと死亡リスク増加が関連する

Higher levels of obesity associated with increased risk of death
1-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/jaaj-hlo122712.php
過体重は死亡リスクが低いことと関連
JAMAの1月2日号に発表された100近くの研究のメタ解析
97の試験288万人のデータで死亡数は27万以上を解析した。
正常体重(BMI 18.5-<25)に比べて過体重(BMI 25-<30)は6%低い死亡リスク、肥満は(BMI of ≥30)18%高い死亡リスク、BMI 30-<35のグレード1肥満は5%低い死亡リスク、BMI of ≥35のグレード2および3肥満は29%高い死亡リスクだった。グレード1肥満の死亡リスクが正常より低かったことから、肥満の死亡リスクは主に高度肥満の人たちによる。
オープンアクセス
Association of All-Cause Mortality With Overweight and Obesity Using Standard Body Mass Index Categories: A Systematic Review and Meta-analysis
JAMA. 2013;309(1):71-82
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1555137&atab=7
エディトリアル
BMIは患者の死亡リスクを適切に伝えているか?
Does Body Mass Index Adequately Convey a Patient's Mortality Risk?
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1555106
BMIと死亡率の関係はU字型になることが知られている。しかしBMIは不完全な指標であることも知られている。血圧や脂質、血糖値なども考慮する必要がある。

  • 夜泣きする赤ちゃんは寝かせたままに

Let crying babes lie: Study supports notion of leaving infants to cry themselves back to sleep
2-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/tu-lcb010213.php
Developmental Psychologyに発表された1200人以上の乳児の保護者に調査した論文。
多くの赤ちゃんは6か月くらいになると夜の間寝るようになり、夜間に母親を起こすのは週に1回程度になる。しかしそうならない子もいる。66%の赤ちゃんは6か月で夜おきるのは週に1回程度になるが33%は週に最大7回夜目が覚める。15か月では週に2回になり24か月では週に1回になる。夜目が覚める子の多くは男の子で扱いの難しい子である傾向がある。また母乳で育てられている割合が高い。こういう子どもの母親は抑鬱で過敏である傾向にある。この結果は二つのことを示唆する。気むずかしさが遺伝または生まれつきの傾向を反映している可能性がある。18か月をすぎても睡眠に問題がある場合には専門家の助言を求めるべきであろう。もう一つは赤ちゃんが自分で寝ることを学習する必要があることで、夜目覚めたときに赤ちゃんに構いすぎたり母乳を与えることで寝る習慣になっている場合には学習が妨げられる可能性がある。

  • オメガ3脂肪酸類、天然甘味料、その他食品成分の新しいまたは改訂規格提案

New and revised standards for omega-3s, natural sweeteners and other food ingredients proposed
2-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/up-nar010213.php
USP(米国薬局方)は提案に対して意見募集
クリルオイル、ステビオール配糖体、カフェインのより正確な分析法、お菓子などに使われる金箔と銀箔などが含まれる

  • BPAの有害影響についてのこれまでの研究は再現できない

Previous studies on toxic effects of BPA couldn't be reproduced
2-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/uom-pso010213.php
化学物質の研究を改善することがヒト健康のためのより良いガイドラインにつながるだろう
ミズーリ大学の研究者らは、2800匹以上のマウスを使った3年の研究により、BPAについて他のグループが行った先の研究結果を再現できなかった。PNASに発表した。
ミズーリ大学のBond Life Science CenterのCheryl Rosenfeld准教授は、「我々の知見はBPAやゲニステインの正または負の影響については何も言っていない。そうではなく、一連の研究は、胎仔が子宮内で暴露された場合のBPAやゲニステインの発達への影響の可能性についての他のグループが報告した知見と同じことは検出されなかった。」と述べた。
化学物質のマウスへの影響についての信頼できるデータを作ることは重要である。
Maternal exposure to bisphenol A and genistein has minimal effect on Avy/a offspring coat color but favors birth of agouti over nonagouti mice
http://www.pnas.org/content/early/2012/12/21/1220230110.abstract
オープンアクセス
2007年のアグーチマウスの実験が再現できなかった

  • ニンニク摂取と直腸結腸がんリスクに関連はない

No association between garlic intake and risk of colorectal cancer.
Shasha Meng et al.,
Cancer epidemiology. 2012 Dec 19; pii: S1877-7821(12)00154-3.
ナース健康研究76208人と医師健康フォローアップ研究45592人を24年間フォローしたもの。ニンニクとニンニクサプリメントの使用量を評価。
(「デザイナーズフーズ・ピラミッド」とか「デザイナーズフーズ」といったものをいまだに主張している人たちがいるけれど、本場米国ではとうの昔に捨て去られていて、この研究でほぼ完全に消滅。頂点がニンニクだった。もっとも「食育」と称して嘘ばかり教えている彼らは科学など自分たちの主義主張の飾りくらいにしか思っていないようなので多分都合の悪い報告は無視するだろう。)