食品安全情報blog過去記事

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「泣いている赤ちゃんは放っておけ」という疑わしい主張

Behind the Headlines
Dubious claims that crying babies 'self-soothe'
Friday January 4 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/01January/Pages/Dubious-claims-that-crying-babies-self-soothe.aspx
Daily Telegraphによると全ての人にとってよく眠るためには泣いている赤ちゃんは寝るまで泣かせておくのが最良の方法で、Daily Mailは「専門家が、母親は赤ちゃんを放っておくべきだと言っている」と主張した。どちらの見出しも乳児の睡眠パターンへの影響を調べた複雑な研究の過剰な単純化である。研究では子どもの気質や病歴、母乳かどうか、母親の鬱などの要因を検討している。この研究の主な知見は、生後3年までの睡眠には2つのパターンがあり、2/3は大体6か月くらいまでには夜寝るようになるが、1/3は寝るようになるまでにもっと長い時間がかかる、というものである。後者については、関連要因として男の子である、6か月および15か月で母乳を与えられている、母親が「気むずかしい子である」と感じている、子どもが6か月の時母親が鬱である、などを見いだしている。メディアによるこの研究が「泣いている赤ちゃんは放っておくのがベスト」であることの決定的証拠であるという主張はこの論文からは支持されない。