食品安全情報blog過去記事

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FSAIの調査で一部のビーフバーガー製品からウマのDNAが見つかった

FSAI Survey Finds Horse DNA in Some Beef Burger Products
Tuesday, 15 January 2013
http://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/horseDNA15012013.html
FSAIは、アイルランドの小売店で販売されているビーフバーガー、ビーフミール、サラミ製品の真偽に関する研究結果を発表した。ウマと豚のDNAを調べたところ一部のビーフバーガー製品からウマDNAが検出された。
27製品のビーフバーガー製品を解析したところ10検体(37%)がウマDNA陽性、23検体(85%)が豚DNA陽性だった。さらに31検体のビーフミール製品(コテージパイ、ビーフカレーパイ、ラザニアなど)のうち21検体は豚DNA陽性でウマDNAは全て陰性だった。サラミ製品は19検体の全てがウマDNA陰性だった。オランダとスペインから輸入されたものを含む生の材料の一部からは痕跡程度のウマDNAが検出されている。
ウマDNAが陽性だったビーフバーガー製品はアイルランドの二つの加工工場(Liffey Meats と Silvercrest Foods)と英国の一つの工場(Dalepak Hambleton)で生産されたもので、Tesco, Dunnes Stores, Lidl, AldiおよびIcelandで販売されていた。これらの小売店で販売されていた10のビーフバーガーのうち9つから極微量のウマDNAが検出された。ただしTescoで販売されていた1検体については牛肉の含量に対して約29%がウマ肉であることを示している。FSAIは農業食料海洋省や関連工場と協力している。小売店は問題の製品を全て回収している。
FSAI長官のAlan Reilly教授によればこれらの知見は公衆衛生上のリスクとはならないが懸念材料ではある。豚DNAの存在については同じ工場でいろいろな動物を処理しているためだという説明が可能であるが、ウマ肉については工場では使っていないので説明できない。アイルランドではウマを食べる文化はない。同様に一部の宗教では豚肉を食べることを避けているので痕跡でも豚のDNAが存在することは許容できない。FSAIは混入原因を解明するために関係者と協力している。