食品安全情報blog過去記事

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GM食品に見つかったウイルス遺伝子は安全上の懸念となるか?

Sense about science
For the record
Does a viral gene found in GM food raise safety concerns?
23 January 2013
http://www.senseaboutscience.org/for_the_record.php/114/does-a-viral-gene-found-in-gm-food-raise-safety-concerns
2013年1月21日にDaily Mailが、新しい研究で多くのGM食品に規制機関が見逃していた「有毒遺伝子」がみつかったと主張する記事を出した。新聞はこれは認可されたGM食品の安全性に疑問を投げかけるものだと主張した。
この新しい研究の著者であるNancy Podevin博士と Patrick du Jardin教授は同意しない。
ある種のGM植物の遺伝子をオンにしたりオフにしたりするのに使われるDNA配列(遺伝子スイッチ)はカリフラワーモザイクウイルスのウイルス遺伝子末端にもなることはずいぶん前から知られていた。これはGMであろうとなかろうと植物と植物由来食品に普遍的に存在する植物ウイルスで自然におこっていることでヒトや動物の健康にとって安全上の懸念とはならない。この遺伝子の理解が進むに従ってカリフラワーモザイクウイルスの包括的リスク評価を行っている。我々はこのウイルス遺伝子の一部が存在することでGM植物の生理がどう影響されるかを調べている。我々は遺伝子スイッチの変異体がウイルスタンパク質断片を作れるような条件で詳細に調べている。GM植物にこの遺伝子が存在することによるヒト健康リスクは知られていない。