食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 欧州委員会はミツバチに有害な可能性のある農薬の制限を望む

ScienceInsider
European Commission Wants to Restrict Potentially Bee-Harming Pesticides
by Tania Rabesandratana on 31 January 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/01/european-commission-wants-to-res.html?ref=hp
欧州委員会がミツバチの健康を守るためにある種の農薬の2年間の使用禁止を提案した。これはEFSAが1月初めに発表した報告による。クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種のネオニコチノイドを、ミツバチにとって魅力的なトウモロコシ、綿、ひまわり、菜種の4つの作物について2年間使用を禁止することを望んでいる。2013年栽培のトウモロコシは除外されるだろう。2年禁止してそれに効果があるかどうかを見たい。
2年は短すぎるという意見もある。
加盟国では、オランダ政府はEU全体での協調的対応を主張している。フランスやドイツ、イタリアは独自に制限を行い、スロベニアは完全禁止にした。しかしスペイン、デンマーク、英国、ハンガリーは慎重である。
一方農薬メーカーのSyngentaとBayerは製品を擁護している。
欧州委員会は7月1日までの禁止を望んでいるが、それにはSCFCAHでの投票が必要で、それが阻止されれば事態は高度に政治的なより長期の過程を経ることになるだろう

ScienceNOW
ScienceShot: Minding Nemo
by Leah Shaffer on 31 January 2013,
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2013/01/scienceshot-minding-nemo.html?ref=hp
観賞魚業界で広く使われている抗生物質が、観賞魚に感染する細菌の抗生物質耐性を拡大させているという報告。
(観賞用魚や植物ってわりと無法地帯)

  • 肥満についての神話と仮説と事実

Myths, Presumptions, and Facts about Obesity
Krista Casazza et al.,
N Engl J Med 2013; 368:446-454January 31, 2013
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1208051
肥満についての多くの信念は根拠となる科学的事実がなく(仮説)、一部は反証があるのに持続している(神話)。根拠のない信念の流布は間違った政策決定、不正確な臨床及び公衆衛生上の助言、そして非生産的研究資源の浪費につながり、根拠のある価値ある情報から注意をそらす可能性がある。
肥満についての7つの神話
・エネルギーの摂取量や消費量をほんの少し長期間変えれば大きな変化になる
1日100 kcal余計にエネルギーを使えば5年で22.7kg減少する計算になるが実際には4.5kgしかへらない
・現実的減量目標を設定する
遠い目標だと挫折してしまうという仮定であるがいくつかの研究で否定されている
・急激に痩せると長期的には悪い結果になる
試験では最初の減り方が大きい方が長期フォロー後の体重は低い
・ダイエットの心構え
・運動教育 学校での子どもの体育の授業は効果が証明されていない
・母乳と肥満 母乳を与えると肥満予防になる、ということはない
・性生活 性交によるエネルギー支出はせいぜい14kcal

肥満についての6つの仮説
・朝食 朝食を抜くことの影響は確認されていない
・子どもが小さい頃の習慣 証明されていない
・野菜や果物の効果 単に野菜や果物をたくさん食べるだけで痩せることはない
・繰り返す体重の変化と死亡率 
・お菓子を食べること
・環境と肥満

事実
・遺伝要因は重要であるが肥満の運命というものはない、中程度の変化で医薬品より大きな効果がある
・エネルギー摂取量を減らすと体重が減るが、長続きしない
・体重にかかわらず、運動は健康によい
・十分量の運動は長期体重維持に寄与する
・減量促進条件を持続させると長期に低い体重を維持できる
・過体重の子どもにとっては両親の参加するプログラムの方が効果的
・食事の提供や代用食の使用がより大きな減量につながる
・一部の医薬品は患者の役にたつ
・適切な患者にとっては肥満手術は減量につながる