食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

Food navigator
Genetic engineering: It’s a technology, not an ideology
Caroline Scotte-Thomas
04-Feb-2013
http://www.foodnavigator.com/Science-Nutrition/Genetic-engineering-It-s-a-technology-not-an-ideology
先週BASFが3つの遺伝子組換えジャガイモ品種について、規制状況の不確実性のため、ヨーロッパでの認可申請をやめると発表した。この決定は反GM活動家に歓迎されインターネットには歓喜の声が溢れた。しかし私はこれはヨーロッパの科学にとって悲しいことだと考える。ジャガイモにとって最大の病気である葉枯れ病に耐性のある品種を開発するために数百万(ユーロ?)を投資していた企業がヨーロッパから追い出されるのだ
(以下反GM活動家の主張への反論略。まあ日本はそもそも最初から日本向けのGMを開発する企業が存在しないわけだが。)

  • アトラジンとがん:疫学根拠のレビュー

Atrazine and cancer: a review of the epidemiologic evidence.
Boffetta P et al.,
Eur J Cancer Prev. 2013 Mar;22(2):169-80
EPAと科学助言委員会のアトラジンの発がん性についての矛盾した報告を評価するためにレビューを行った。結果としてアトラジンとがんに因果関係はない。時々相関があるという結果になるのは偶然かバイアスによる。

  • 日本の調査捕鯨:高価な仕事

ScienceInsider
Japan's Scientific Whaling: An Expensive Proposition
byDennis Normile on 6 February 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/02/japans-scientific-whaling-an-exp.html?ref=hp
2月5日に国際動物福祉基金IFAWが発表した報告によると、1987年からの日本の調査捕鯨は納税者に3億7800万ドルの負担となっているが鯨肉の需要は少なく、研究にはほとんど価値がない。

  • 韓国の有害物質流出に警告

Natureニュース
Alert over South Korea toxic leaks
06 February 2013
http://www.nature.com/news/alert-over-south-korea-toxic-leaks-1.12369
政府は相次ぐフッ化水素事故で監視強化
12月半ばのソウルの南280kmにある亀尾市の木は3か月ほど前の事故の影響で褐色になり葉がしぼんでいた。耕作地の端には赤いプラカードに「フッ化水素酸流出により汚染されている:食べられない」と警告してあった。2012年9月27日に約8トンの極めて毒性の高いフッ化水素ガスが流出し、大気中の水分と反応してフッ化水素酸となって作物に降り注いだ。このHube Global化学工場の事故で5人の労働者が死亡し18人が怪我をした。地元住民数千人が酸を吸入して健康被害を被ったと言っている。政府は市民や事業者に補償金364億ウォンを支払うとしている。これは極めて珍しい事故だと思われるかもしれないがそうではなかった。1月15日には清洲の工場で2500リットルのフッ化水素酸が流出し1人が怪我をした。1月28日には華城のSamsung Electronicsコンピュータチップ工場でフッ化水素酸の流出事故があり一人が死亡した。これらの事故で専門家はこの国の企業の安全性に疑問を抱き、政府は何が悪いのか調査している。
フッ化水素酸はエレクトロニクス産業ではシリコンチップにパターンを刻むのによく使われている。近年韓国は世界の電子機器輸出業トップになりフッ化水素酸使用量が急激に増加している。環境省によると2001年には26の企業がそれぞれ約10トンを扱っていたが2010年には取扱業者が3倍になり、2011年には545の企業が取り扱っている。
Hube Globalの事故の原因は作業者のミスのようであるが地元政府の対応も混乱していた。消防士ははじめHFの危険性を理解していなかったため化学防護服を身につけていなかった。住民への非難指示も遅れた。さらに次の日帰宅してもいいと言われて帰宅した住人たちはすぐに吐き気や胸の痛みや発疹を生じた。事故から11日経って政府がこの地域を「特別災害区域」に指定し、住民は再び避難を始めた。最終的に帰宅したのは12月末である。
12月13日に政府はガスの被害で枯れた約9100トンの作物や木々を焼き始めた。その結果光景はさらに荒野のようになった。小学校の先生であるKim Sanghoは、枯れた木に囲まれて毎日それを見るのはトラウマを再生させる、といい、もう家には戻らないという。「福島の事故と同じだ。いくら政府が安全だと言ってもこの村の農産物を誰が買うだろうか?」
(最後が気に入らないけど、韓国はこんな白か黒かの対応をすることが多い)

  • 大気汚染は小さな赤ちゃんを産む

Air pollution delivers smaller babies
06 February 2013
http://www.nature.com/news/air-pollution-delivers-smaller-babies-1.12358
300万の乳児の研究が吸入粒子と出生時体重の関連を示唆
Environmental Health Perspectivesに発表された大規模国際研究
写真はWHOガイドラインの10倍高い粒子状物質濃度になっている北京でマスクをして歩く女性。

  • ドイツの科学大臣が学位を剥奪される

German science minister stripped of her PhD
06 Feb 2013
http://blogs.nature.com/news/2013/02/german-science-stripped-of-her-phd.html
Düsseldorf大学がAnnette Schavan科学教育大臣の学位を取り消した。大学の委員会が昨夜彼女の学位論文の盗作を確認した。Angela Merkel内閣で学位を取り消された大臣は昨年辞任した防衛大臣に次いで2人目である。政治問題になるのは避けられないだろう。

  • 未知の分野

Unknown territory
06 February 2013
http://www.nature.com/news/unknown-territory-1.12360
日本は実験的幹細胞治療を規制する遅すぎた努力をしている。患者を守るために明確に定義された法的枠組みが必要である
ソウルのバイオテクノロジー企業NBL Bioにで月に500人の韓国人が幹細胞治療を受けていた。さらに根拠のない幹細胞治療をしているクリニックが20以上あると報道されている。幹細胞治療ツーリズムは規制の未熟な中国やコスタリカウクライナなどで行われているが、何故日本なのか?日本の幹細胞治療の規制は未熟なのではなく存在しないのである。日本の清潔で信頼できるという評判とあわせて、日本は「根拠のない治療法のパラダイス」となっている。

Institute of Food Science & Technology
Dioxins in Foods and Feeds
http://www.ifst.org/science_technology_resources/for_food_professionals/information_statements/dioxins/