食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • カフェイン摂取は低出生体重と関連

Caffeine linked to low birth weight babies
18-Feb-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-02/bc-clt021513.php
BMC Medicineに発表された論文。10年以上にわたるノルウェーの母親の食事と出産についてのデータを解析した。病気の妊婦を除外し、6万件ほどが対象になった。コーヒー、紅茶、炭酸飲料、ココアを含むケーキなどを含む全ての摂取源からのカフェインは、出生体重の減少と関連した。平均体重3.6kgの子どもにとって、1日あたりのカフェイン摂取量100mgで21-28gの体重減に相当する。しかしカフェインだけではなくカフェインが何に由来するかも妊娠の結果に影響する。全ての摂取源からのカフェインは1日あたりのカフェイン摂取量100mgあたり5時間妊娠期間を延長させるがコーヒーからのカフェインは同じ量で8時間延長する。

  • ウマ肉の件で主導的獣医師がコメント

UK SMC
leading vet comments on aspects of horsemeat story
February 16, 2013
http://www.sciencemediacentre.org/leading-vet-comments-on-aspects-of-horsemeat-story/
Nottingham大学教授でイギリス馬獣医師協会(BEVA)のMark Bowen
Streptococcus equinusについて
Streptococcus equinusはウマやその他の動物の正常な腸内にいる。従ってこれが存在することがウマとの接触を特異的に示すものではない。Streptococcus equinusは時にヒト感染と関連するが極めて希である。この細菌は腸内に存在するので肉の汚染はありそうにない。動物に病気を誘発することはなく、感染は直接接触により食品を介してではない。この細菌による食中毒リスクは極めて低い。
フェニルブタゾンについて
フェニルブタゾンは世界中のウマに使用されている安全で有効な鎮痛剤である。長期の痛みの管理に使用できる薬はこれだけであり、関節炎による痛みをもつ動物の福祉を守るためには必須の薬物である。食用動物用の他の鎮痛剤は存在するが、長期の安全性は示されていないため直接替わるものはない。
フェニルブタゾンは食用動物には使えない。この薬物を使用できるようにしてウマの福祉を保護するためにHorse Passport Act (2004)が作られウマを永久にヒトフードチェーンから排除するメカニズムができた。2009年にはさらに規制が改良されて、ウマの首にマイクロチップを埋めて恒久的に同定できるようになっている。
ヒト食用に屠殺されたウマからどうしてフェニルブタゾンが検出されたのかについてはいくつかのシナリオがあり得る。意図的詐欺、規制無視、飼料や飼料バケツの汚染による事故などが考えられる。BEVAはDEFRAと協力して法の抜け穴を塞ぐ対策を行っている。
ウマ肉を食べるヒトにとって、極微量のフェニルブタゾンはヒト健康に真のリスクとはならない。ウマ肉汚染が心配な英国の人々に対しては、肉の主な汚染源はルーマニアのようであり、これらに残留動物用医薬品があるということを示唆するものはない、ということは少なくとも安心材料になるだろう。